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夢を見るころ
【女性向け 官能小説】

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「うん。6時になったら今日はあがるよ!」
「はいっっ」

そんな約束をして。
久しぶりに6時に上がれる!

別にデートをしたいわけじゃないけど。
篠塚さんに電話をしてみようかな。
そんな気分になった。

あれから律儀に何の連絡もない。

「篠塚です」

落ち着いた声で静かに答えるその声は
今までざわざわしていた私の職場とは大違いだ。

「永坂です」
「うん。どうした?」
「今日時間が空いたの。食事でもどう?」
「ちょっと待って」

そう言うと篠塚さんは電話から顔を離したのか
声が遠くなって
「この書類、明日の午前中でもいい?」
と、何か叫んでいた。
「OK。何時に会える?」
今やっている仕事を明日に回してくれたらしい。

「私は6時に上がれるから。8時にはそっちに行かれるわ」

それでも。駿と同じ会社の人が
8時に上がれるはずはないとわかっている。

「じゃ、この前の居酒屋で8時な。中で待ってて」

8時でいいの?仕事は終わるの?
そんなことを聞きそうになったけど。
私は篠塚さんの仕事内容を知っているわけではない。
平気だと言ったら平気なんだろう。

そのまま私は電話を切った。


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