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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 空浣 〜-1

〜 空浣(空気浣腸) 〜



「ひくっ……えくっ……ひぐ」

 一度堰をきった嗚咽は止まらない。 理性は、大分戻ってきた。 過呼吸にはなっていない。 

 大丈夫。 さっきの試練は中断した。 ウチ――26番と呼ばれている――の下半身はポコンと膨らんでいて、中にはジャラジャラ音をたてるビー玉風の玉が詰まったままだ。 それでも、この玉を纏めて引っこ抜こうとする、さっきまでの滅茶苦茶なパイプはここにはない。 

「ひくっ……うく……ひぐ」

 それでも、定期的に痙攣する気管にのって、無様なしゃっくりは止まらなかった。
 
「ひく……ひぐ……」

 泣いてしまったものは仕方ない。 それくらい強烈な痛みだった。 お腹の中身が千切られるような感覚は、違和感だとか気持ち悪いだとかじゃなく、もう激痛としかいいようがなく。 うちにはとても耐えられなかった。 肛門を開け、もっと開けと簡単にいうが、限界まで拡げても足りなかったということだ。 それでも許してもらえなくて、当てもなく何度も何度も腸をえぐられる。 感情の隆起は抑えようがなかった。

「ひく……ひっく……」

 まずは呼吸を整えよう。 いつまでも泣いていてはマズい。 涙が事態を好転させないどころか、寧ろ悪化させることは、合宿で十二分に理解している。
 
 教壇の上で正座するウチの隣には、教官がパイプの代わりに新しい道具を手にしていた。
 木の棒二本で蛇腹を挟んだ道具は、やや小型の『鞴(ふいご)』に酷似している。 大昔に竃で火をシュポシュポ炊くやつと異なるのは、鞴の嘴がラバーで包まれている点くらいだろう。
 
「せめてアナルを開閉できるように躾けてあげます」

「ひく……ハイっ。 インチツの壁から感謝しますっ」

「教壇に登って、アナルがよく見えるように尻を広げなさい」

「ハイっ」

 ウチはよちよちと教壇に四つん這いになった。 膝をたててお尻をもたげ、両手で尻たぶを真っ二つに割る。 ついこの間まで隠し続けた秘密の蕾も、隠す気持ちなど欠片もない。 頭の中にあるものといえば、教官が怖くて、叱られたくない一心だけ。 
 許してほしい。 見逃してほしい。 助けてほしい。 
 一歩転じて、教官に自分を受け入れて欲しい。 少しでも気に入られなければいけない。
 膝から下は『ハの字』に曲げて、腰をくねらせてみた。 ウチのお尻は小柄で、日焼けしていて、柔らかそうでもなく、要するに品がないと思う。 だから少しでも見栄えがするように、ぷりぷりして見えるように工夫しないといけない。

「空気浣腸の躾よ。 私が合図したら、中の空気だけをすべて、5つ数える間に出しなさい。 玉や具が出てきたら承知しません」

「は、ハイ」

 鞴(ふいご)を見た時から覚悟していた。 空気を体内に入れられる……ウチ自信は初体験だけど、クラスメイトが合宿中にやられてるのを見たことがあった。 嘴を肛門にさして、シュポシュポと何回も膨らまされる。

 空気浣腸とは、文字通り薬液の代わりに空気を肛門に送り込むことだ。 ただの空気だから、よっぽどたくさん送られた場合を除いて、苦痛は少ないような気がする。 むしろ『体内に留める』方が難しいんじゃないだろうか。 ちょっと気を抜いただけで、ぷすぅ〜、と間延びした放屁音をたてて洩れてしまうだろう。

 今はすでにお腹がいっぱいだ。 そもそも便意を我慢し続けていて、便と腸壁の狭間を重たいビー玉がコロコロしている。 この状況で更に空気を送り込まれて、あまつさえ外へ空気だけ押し返すことが出来るなんて思えないけど、ウチには首を縦に振る以外の選択肢がないわけで。

「いいこと、お上品に、御淑やかにするのよ」

「ハイ!」

 しゅぽ、しゅぽ、しゅぽ、しゅぽ。

「〜〜〜っ!」

 灼けるような掻痒感に続いて苦痛! 歯をくいしばって、オレはどうにか悲鳴を抑える。

 痛くない、なんてとんでもなかった。 鞴一回につきどれくらい空気が入れられるか知らないが、感覚的には1リットルを超えている。 しかも液体と違って腸の奥まで届くから、お腹全体がもっこりする。 内臓が持ちあがるようで、呼吸がグッと浅くなる。 4回鞴をふかれ、あっという間にお腹はひとまわりもふたまわりも膨れた。 妊婦のように、膨らんだお腹を抱えた恰好。

「出しなさい」

「ハイっ! 〜〜〜っ」

 教官は『御淑やかに』といった。 古今東西を問わず、御淑やかとは即ち、余計な音をたてないことだ。 食事然り、芸術鑑賞然り、学園の空気浣腸然り。 
 けれど、出来ることと出来ないことはある。 というより、放屁に対して要求される『御淑やかさ』自体が、そもそも皮肉で滑稽だった。 

 ぷすう。 ぶぷっ、ぶっ、ぶぶっ。 ぷうう〜。

「5、4、3、2、1、そこまで」

「……くっ」

 丁寧に括約筋を緩めたつもりでも、途端に勢いよく溢れる空気。 かろうじて空気以外はとどめたものの、教官の言葉通りにできるはずがない。みっともない放屁音。 まき散らされたおならのメタン臭。 ともに教室中に響く。 メタン臭は先刻から溢れているからいいとしても、音はそうはいかない。 お尻と肛門を晒しているから、おならをする瞬間の、パァと穴が開いたところも見られてしまった。 便を伴わない分、外から腸の中まで丸見えになったことだろう。
 今更だと分かっていても、恥ずかし過ぎて死にたくなる。

 それでも、ウチがかいた恥が報われたなら、まだマシだ。 
 現実は冷たい。 教官の、ぞぅっとするほど冷たい声がふってくる。


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