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和州道中記
【その他 官能小説】

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和州道中記-5

――洞窟の中の山賊団は、一紺をアジトに案内した一人を除いて全て殺されていた。
怒りに任せた一紺が、十数もいた山賊達を全て斬ったのである。
血生臭い洞窟から大分離れた森中で、竜胆を背負っていた一紺は足を止めた。
「もう平気や。安心せえよ」
言って、ぎこちないが笑みを浮かべて竜胆を下ろす。しかしどうにも彼女の様子がおかしい。
竜胆は息を荒くしていた。
「り…?」
「ッ」
倒れ伏した彼女の顔を、一紺が覗き込んだその時だ。
竜胆が彼の両袖を掴んだ。
「…て、抱いて…くれ…」
「り、竜胆?」
息を切らせ、切なげに言う彼女の言葉に一紺は困惑する。
「身体が疼いて、仕方ないんだ…」
困惑した一紺ではあったが、彼はあの場に転がっていた小瓶を思い出す。
あれは…もしかしたら、媚薬だったのでは?
山賊団のようなならず者の中には、法に外れた薬を裏で扱っている者もいると聞く。
一紺は今更ながらに悔しさで歯噛み、だが一方で嬉しさのような妙な感情が湧き上がってくるのを感じた。

…今まで幾ら態度で示しても無駄だった。竜胆はそれほどまでに色恋事には無縁で。
しかし、その女が今自分の身体を求めている。拒否する理由は、無い筈だった。

「…竜胆。俺は、怖いんや」
「一紺…?」
「こうしてお前が求めてくれとんのは、薬のせいやて分かっとるのに、もしも最中で薬が切れたら…お前が嫌がりはしないか、て…」
「ッ、恥かかせる気かッ」
竜胆は一紺の袖をぐいと引っ張り、自分の唇を彼の唇に押し当てた。
「竜…胆」
何とも色気のない口付けであったが、それで十分だった。
今度は一紺から竜胆へ口付けをする。竜胆がしたような軽いものではない。
舌を突き出し彼女を求め、口腔内を犯す。
「はん…んぅ…」
酸欠になりそうなほど長く、それは続く。
やっと一紺が唇を離すと、混ざり合った二人の唾液が淫猥な光を帯び、二人の唇を繋いでいた。
「ほんまに、ええのか」
竜胆を組み敷いた形で、今更ながらに言う一紺。
彼女は頷いた。
「一回だけで、いい。…すまない」
一紺はその言葉に苦笑した。
(一回言うても…俺が一回で済むかいな)
)疑問は心のうちだけにし、一紺は竜胆の双丘を撫でた。
竜胆の身体が軽く跳ねる。鍛えているせいであろう弾力のある胸を捏ねる。
その度に跳ねる身体が何とも可愛い。
一紺は舌で胸を愛撫しながら、次第にそれを上に移動させて行った。首筋から耳へ、耳を舐め上げると竜胆の声も高くなる。
「やぁッ!」
「此処が感じんのやな」

再び竜胆の弱い所をせめ、一紺は右手を着物の中に入れた。
そこは既に薬と愛撫――そして認めたくはないが山賊の頭との行為も――で濡れそぼっていたが、一紺は指の腹で軽く秘所を擦る。
「あッ、あん…あ…ッ」
「その声が聞きたかったんや」
甘い声を上げる竜胆に、笑みを浮かべる一紺。彼は首筋に這わせた舌を、彼女の下腹部へ移動させる。
暗緑の茂みを掻き分け、割れ目を舌でなぞった。
そして突き出した舌を、彼女の蜜壷に挿れる。
「やぁッ、汚い…一紺…!」
「お前に汚いところなんて、どこにもあらへん」
「ん、くぅ…ッ」
ざらりとした舌は、一層に竜胆を刺激する。
「あ、ああッ、あん…ッ、んんぅッ!」
何度か出し入れを繰り返すと声も段々高くなってくる。絶頂が近い証拠だ。
一紺は舌を抜いた。
「気ぃやるのはまだ早いで」
一紺は既に硬く、大きくなっている自分のものを取り出した。
女を抱くのは初めてではないが、久しぶりではあり、その上自分の愛した竜胆にその欲望を突き挿すということで幾らか緊張した面持ちを見せる一紺。
対する竜胆も、一度貫かれたとはいえ、改めて見る男根におののく。
一紺はそんな竜胆の額に優しく口付けると、それを彼女の秘所にあてがった。
ゆっくりと、それを挿し込んで行く。痛みが少しあるようで、竜胆は微かに呻いた。
「痛いか?」
「へ、平気だ」
気丈に言ってのけ、それに安心した一紺は再び挿入を開始する。
愛液のおかげで順調に入っていく男根を、竜胆は絶え間無く締め付ける。
「く…ッ」
気を抜けばすぐに達してしまいそうだ。一紺は一物を奥まで入れると、大きく息を吐いた。
「まだ痛いか?」
問う一紺に竜胆は答える。
「平…気、だ…ッ」
「ほんなら、動くで。無理やったら言いや」
苦笑を浮かべ、一紺は腰を動かした。
「あぅッ」
上下に腰を動かし、巧みに心地よい刺激を与える。息荒く、一紺は竜胆の耳を軽く噛んだ。
それだけで電流のような快感が身体を突き抜ける。
「ぃやッ!あ、あぁ…あん!」
一紺の舌は先程とは反対に上から下へと移動し、竜胆の乳頭に達すると、耳の時と同じように甘噛する。
「やぁッ!!」
跳ねた竜胆のしなやかな身体に手を這わせつつ、一紺は相変わらず下半身の動きを続けた。


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