投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

美少女・三原レイ
【その他 官能小説】

美少女・三原レイの最初へ 美少女・三原レイ 21 美少女・三原レイ 23 美少女・三原レイの最後へ

カミングアウト-1

12月初旬の月曜日。目覚めると、味噌汁の匂いがした。いつもの朝だ。

美智子は仕事柄、レイが眠っている時間帯に帰宅する。レイは真夜中に目覚めて、隣の部屋にいる美智子が着替えている微かな音を聞くことがあった。枕元の時計を見ると、午前2時半だったり3時だったりする。深夜の帰宅にもかかわらず、土日以外は朝5時半に起きて、朝食とお弁当を作ってくれている。レイは頭が下がる思いだった。

中学一年のとき、母・美智子と同じ時間に起きて、お弁当づくりをしたことはあった。

「夕食は日曜以外の日は作ってあげられないから、朝食とお弁当は私に作らせて。レイちゃんはぎりぎりまで寝ていていいから」

母の意思は強かった。

あれから三年あまり、美智子に甘えっぱなしになっている。これでいいのだろうかと、自分に問いかけることもあるが、母・美智子の気持ちを考えると、子どもとして甘えられるうちは甘えたほうがいいのではと、結論づけてしまうレイだった。

午前6時20分。ベッドの脇にヨガ・マットを敷いた。薔薇模様のパジャマ姿のまま、マットの上で胡座(あぐら)をかく。右の手のひらを胸の上に軽く付けて、左の手のひらをお臍(へそ)の下に付ける。五分間、ヨガの基本的呼吸法に取り組む。一年ほど前から実践している朝ヨガ。朝は時間が気になって呼吸法しかできないのだが……。気持ちいい。

からだの中をリフレッシュさせる朝ヨガが終わると、レイはパジャマを脱いで、純白のミニスリップ、そして、冬用のセーラー服に身を包んだ。




「レイちゃん……」

制服に着替えて朝食を摂っていると、母は箸を持ったままで何やら考えあぐねている様子だ。

「どうしたの?」

「ゆうべ、マッキーさんみえて……話していたら、デートに誘われちゃった……」

「いいことじゃない」

マッキーさんとは中野の「グリル南海・中野店」で店長兼シェフを務める槙原さんのことだ。45歳・独身。レイも母と一緒にグリル南海にいったことがある。

「いいことって……単純に言わないで……」

「マッキーさん、悪い人じゃないと思う」

「それはわかっている……」

「お母さん、何を悩んでいるの?」

「マッキーさん、真剣だからねえ……」

「だから?」

「真剣だから、悩むのよ。私……再婚は考えられない……」

「どうして?」

「理由なんてない……」

母はレイを気遣っているのか。それとも、別の理由があるのだろうか。父・櫻井哲夫と離婚したのは、レイが五歳のときだった。美智子と櫻井のあいだに何があったのか。レイは美智子から「性格の不一致で別れることになったのよ」と聞かされているだけだ。




朝の緩やかな陽ざしがキッチンの窓ガラスに映っている。胸当てが付いている制服の両肩から、赤いスカーフを胸の前に下ろして、結んだ。

「生理痛、酷かったら、部活休むのよ」

「わかってる。大丈夫だから。お母さん、生活習慣病の定期検診は受けたの?」

「あっ、忘れてた」

「先月いっぱいだったじゃない」

「一度、病院いってこようかな……」

「えっ?」

「なんでもない」

「じゃあ、いってきます」



美少女・三原レイの最初へ 美少女・三原レイ 21 美少女・三原レイ 23 美少女・三原レイの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前