大佐の舘-14
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ボクは大佐と顔を合わせたくないから、いつもより早く朝御飯をかきこむようにして食べた。そして足早に食堂の席を離れた。まだ食べたものが口の中にあり、ムシャムシャ咀嚼しながら席を立ったから、しおりさんは少し不思議な顔をして、
「今日は随分、お早いですね。オレンジジュースのお代わりは飲まれないのですか？」
ボクは口をモグモグさせて食べ物を飲み込み。
「今日はけっこうです、部屋に帰ります。」
と、言って食堂の扉を開けて出ようとした。
「お~う、俊くん!久し振りじゃないかー。元気にしてたかな？」
食堂の扉を開けて長い廊下に出ようとした瞬間、軍服姿の大佐にばったりでくわした。大佐はボクの肩を持ち、頭を撫でてきた。
「おはよう、俊くん。昨日は良く眠れましたかな?」
ボクはうつむきながら無言で、肩にかかる手をふりほどき、そのまま立ち去ろうとした。