投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

エスが続く
【OL/お姉さん 官能小説】

エスが続くの最初へ エスが続く 105 エスが続く 107 エスが続くの最後へ

4. Speak Low-29

「うああっ……、だ、だめ……」
 絶頂に見舞われたばかりの壁を傘の縁が掠めてくると、悦子はヒップを震わせてクッションの中でかぶりを振った。
「んっく、思い切り、していいんでしょ?」
「ううっ、だ、だって……」
 何か言おうとしても、その瞬間、ヒップに大きな音が鳴らされて奥を強打され、悦子は喚声を上げて体をのたうち回らせそうになるのを、平松に身動きが取れないよう強く押さえつけられる。床に押し付けられ身を拘束される不自由さに全身を震わせている悦子に向かって平松が貶斥するかのような口調で続ける。
「ほら……、もっといく?」
「い、いく……、どうしよう、翔ちゃんっ……、またイッちゃう……、イッてしまいます……」
「いいよ。思いっきりイッて。……ほら、後ろからすごくヤラしく俺のチンポ咥え込んでるの見えるよ。毛がないから丸見え」
「やあっ……、見ないでっ……」
 と舌足らずに甘えた声を漏らしつつも、次の刹那には、「い、……あ、……」
 絶頂を平松に伝えることもできずに、腰を電極に打たれたかのようにランダムに痙攣させながらまた達していた。平松は痙攣している悦子に男茎を埋めたまま、腰の後ろに束ねられていた両手を外した。手の自由を与えられても、悦子の腕はそのまま力なくフローリングに下ろされているだけだった。
「ほら、悦子。もっとお尻からさせて」
 平松がまた男茎を引いていく。
「はっ……、ぁ……、翔ちゃん……、ちょっとやすませて……」
「だめ。悦子、手ついて四つん這いになって」
「うう……、ん……」
 入口近辺を亀頭だけで細かく擦られて、手を付こうとしても肘が折れて成らなかった。
「悦子」
 背後から強要が溶けこんだ声が聞こえると、首にグイッと圧力を感じた。
「あうっ……」
「ほら、早く四つん這いになって、お尻つきだして」
 後ろから鎖をピンと引かれると、悦子はよろめきながら身を起こして両手を床に付き、亀頭の埋められたヒップの中心を平松に向けて背を反らした。
「いくよ、悦子」
 腰骨を掴まれると戦慄が背中を走り、身構えていた以上の強烈な打突が脳天まで突き抜けて仔犬のような声を放ったあと、あまりの心地よさに俯き、髪を振り乱して首を振った。
「顔上げるんだよ、悦子」
「うっぐっ」
 後ろから首のチェーンを強く惹かれ、喉が締め付けられる。息苦しい中二度、三度と亀頭が体内を貫き、最奥に低い衝撃を響かせてくる。だんだん平松が腰の動きを早めていって、首を手綱のように引かれて背を反らし、天を向いて仰け反る艶かしい悦子に茹だるほどの興奮を滾らせ、更に加虐心を煽られて鎖を張って引き絞る。喉の苦しさが体の中で快楽に転化されて、鎖に繋がれた獣になった悦子は平松の名を吼えて何度も絶頂に達していた。
 ――というわけで、気づいたら全裸に鎖首輪だけの姿で汗蒸した湿気の漂う平松の腕の中で眠っており、首輪を取ると軽い内出血でクッキリと痕がついていた。
「もおっ……、はずかしいったらないよっ……」
 奴隷宣言までして悦子も首輪を引かれることを求めて淫蕩に耽っていたことは棚上げにして、ぷんすかと怒りながらメイクを続けているドレッサーの鏡に平松が映る。
「そのままで行くの?」
「んなことできるわけないじゃんっ! スカーフかなんかで隠すしかない」
 そう言うと後ろから平松が抱きしめてくる。
「ちょっとっ、時間ないんだからやめ――」
 言っている途中で首筋にキスをされてぶるっと体が震えると、ちゅうっ、という音が聞こえてきた。「うわっ! ちょっとっ!!」
 うなじのあたりに強く吸い付かれ、平松が唇を離し、してやったり顔で笑って自分の用意に戻ったのを見て、慌てて鏡に映すと思いっきりキスマークがついていた。
「このやろうっ!」
 思いっきりタオルを投げつけると、平松は笑いながら、
「スカーフするんだからいいじゃん。ドレイの刻印」
 と言う。その言葉に舌打ちをしつつ心の中は潤いながら、じゃれ合いの果てに身に印された痕をスカーフで隠して出社したのだった。今日帰ったら承知しないぞ、とことんイジメてもらう。悦子は今夜も平松の前に這いつくばる自分を想像しながら、始業後も平松の姿が目に入るたびに睨みつけてやった。
 その続きで彩奈と目が合い、すぐに逸らされた。何だ? そういえば朝挨拶した時から、いつも溌剌とした挨拶を返してくる彩奈が今日はどこかしら覇気がなかった。何か困ったことでもあるのかな、と金曜日に今日の午前までにと期限を切って指示した仕事でわからないことでもあったかと問いかけてみると、大丈夫ですと仕事を続けている。そう言いながら、心ここに在らずというか、何か別のことに気が捕らわれているようだった。
 アミューズメント企業の新店出店は三島は候補から外され、代わりに沼津を中心に富士市まで至る1号線沿いに複数店舗同時オープンを行うことになった。そのうち沼津市の4店舗については建築施工から受注することになり、すでにプロジェクトチームが立ち上がっている。富士市の店舗についてはコンペとなっているが、沼津とインテリアコンセプトを合わせるという点では有利であるからおそらく勝てるだろう。オープンは10月。
 それが終わったら結婚式をあげようと平松は言った。
(……)
 デザイナが書いたラフ画内の照明器具について具体的な製品を選定して専門業者にイメージ写真を合成してもらう、モニタにその元画面を映しつつ隅に垣間見える平松を見た。咳払いをするフリをして喉元のスカーフを抑えて首輪の痕とキスマークを指でなぞる。


エスが続くの最初へ エスが続く 105 エスが続く 107 エスが続くの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前