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理工学部 浦野准教授
【教師 官能小説】

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真紀ちゃんと『おあいこ』-1

次に真紀ちゃんと会ったのは前期が終わり夏休みにはいった頃だった。真紀ちゃんとの再会の話をする前に、泳法研究会の事を説明する必要があるかもしれない。

ある日『泳法研究会』という部活のメンバーから顧問の就任依頼があった。ウチの大学には体育会の水泳部があるが、泳法研究会はそれよりはお手軽な水泳サークルのようなものらしい。顧問になると、学内のプールを使える時間が増えると聞き、僕は快諾した。この大学のプールは短水路だけどなかなか設備が素晴らしい。もちろん室内にある。このプールには誰でも泳いで良い解放時間があり、教員はその時間を使って泳ぐのだが、夜の9時〜10時の一時間しかない。8時までが体育会水泳部専用、8時から9時までが泳法研究会等の指定サークル専用時間、そしてそれ以降が一般開放時間という訳だ。もちろん、日々の健康の為に泳ぐので9時に行けば一時間泳げるのだが、女子大のサークルメンバーがまだワイワイやっている中、男のオジサンが毎回一人で入って行くのは、遠慮していた。9時半になれば誰も居なくなり、一般開放といっても、殆ど誰も来ないので、ほぼ貸し切りになるが、30分ではあまり泳いだ気になれない。サークルの顧問としてメンバーと顔見知りになれば、サークルの泳ぐ時間も使えるし、一般開放の時間帯も最初から堂々と使えるようになる。そう考えて、僕は顧問を引き受けた。

水泳部と泳法研究会の違いは、水着で見分けられる。両部とも競泳用の水着を指定水着にしていたが、水泳部はふとともまで隠れる最近流行のレーサータイプの水着着ていた。一方で泳法研究会は派手な柄のついた、ハイレグタイプの水着を着ていた。その泳法研究会のメンバー一覧に真紀ちゃんの名前を見つけた。彼女は水泳部にも所属しているらしいが、根っからの泳ぎ好きなので、こちらにも所属しているらしい。泳法研究会は、基本的にはサークルのノリで、海へ行く等のイベント重視なので、大学生活をエンジョイしたい人は、両方に所属するらしい。僕はだいたい週3回、顧問用という事で1コースを自由に使わせてもらっていた。真紀ちゃんは水泳部の練習からひきつづいて、ダウンをこの時間にやっていたので、何度もプールで見かけていた。多分、彼女も僕に気づいていただろう。ただ、会話はおろか目線も合わせる機会は無かった。あんな事の後で、お互いどんな顔をして会ったらよいのか分からなかった。

顧問といっても、名前だけの顧問なので、部活動の後の締めの挨拶等はやらず、タイミングが合えば、お疲れ〜と声を掛けるぐらいで、僕はプールが修了する10時まで泳ぎ続けるのが日課だった。時々、別の教員が泳ぎに来る事もあったが殆どは僕一人だった。開放時間は学生にも開放されていたが、学生にとっては「男の教員が泳いでいる時間」という認識が広まっており、学生は全くといってよいほど来ない。

8月の試験期間が終了したある日、いつものように9時ぐらいにプールへ行き、水着に着替えた。今日はサークルメンバーは誰も泳いでいない。飲み会の日かな?プールはほぼ貸し切りで女性が一人泳いでいるだけだった。水泳部のレーサー用の水着でも泳法研究会のハイレグの水着でも無い、紺のシンプルな水着を着ていたので、おそらく部員ではなく、一般の人だろう。という事は教員か。珍しい。他大に比べて女性教員が多いのは確かだけど、いままで開放時間に女の人が泳いでいた事は見たことがなかった。僕、1コースあけて、隣のコースで泳ぎ出した。タイムを競うわけではないが、同じプールで泳いでいる人のスピードは少し気になる。しかも女性に負けるわけにはいかない。僕はいつもより早いペースで泳がなければならなかった。

「こっ、こいつ速いな。」

現役を退いて結構経つ僕は負けを認めざるを得なかった。しかし誰だろう。10時になる前にへとへとになってしまった。10時になると管理人がプールを回って、帰るように促してくる。と言っても、別に追い出される訳ではない。どのみちこの時間は教員だけなのでそれほど厳しくない。僕は管理人に片手を上げ、もう帰るよとサインを送る。二つ隣りのコースの彼女はまだ泳いでいる。

僕がプールサイドにあがろうとした、その時、後ろから水を押しのけるような気配がした。僕が振り向くと、大きな水しぶきとともに、水の中からあの紺の水着の女性が表れた。

「先生、こんにちは」

よく見たら真紀ちゃんだった。

「わぁ」

僕は不意を突かれ、目を見開いた。

「先生、泳法研究会の顧問になってくださったのに、今まで挨拶しないでごめんなさい」

真紀ちゃんはゴーグルを頭から外し、肩ひもにかけながら言った。


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