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理工学部 浦野准教授
【教師 官能小説】

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プロローグ 〜 美穂さんとの出会い-1

僕は浦野大輔。坂の上女子大学という国立大学の准教授だ。准教授といっても、まだ30の半ば。27で博士号を取った後、国の研究所でポスドクを数年、この大学に移って助教・講師をやっているうちに、運良くポストが空き、准教授になった。実力と言いたい所だけど、まぁこういう事は運だよね。

女子大の教員って、うらやましがられるけど、本当はなかなか大変。男子同士の方が気が楽な事は多いよね。それでも、女子大教員ならではの役得も色々とある。そんな体験をいくつか話してみたいと思う。

まずは僕がこの大学に来た頃に遡って話を始めよう。大学教員というと教授を思い浮かべるかもしれないけど、殆どの人が助教という最底辺の職階から、講師、准教授、教授と順々にステップアップする。職業を聞かれて「大学教員です」と言われると、「教授なんですか〜すごい〜」と言われる事が多いけど、「まだ、そんなジジイじゃねぇ」と言い返したい気持ちが沸々と湧いてくる。

この大学に来たのは29歳の時。水口教授という日本でも有数の権威の先生の所の助教として雇われた。あ。ちなみに大学教員の給与は安い。とくに国立大学の給与は低い。大学の同窓の友達は、僕から見ると、みんな高給取りになっていて、涙がでてくる。でも、国立大学の教員は自由だ。何を研究するのも自由。担当する授業数も私立に比べたら少ないし、雑用は多いけど、それでも、自分で自分の仕事を決められる自由は何もににも代えがたい。

僕の住まいはこの大学に来た時から変わっていない。大学から少し離れた所にある賃貸アパートだ。お世辞にも綺麗とは言えないけど、間取りは1LDKで、学生時代から住んでいた以前の1Kのアパートよりは豪邸だ。

隣りの部屋の美穂さんと初めて会ったのは、引っ越しの日だった。僕の部屋は廊下の突当りの角部屋で、1つ左が美穂さんの部屋だ。とりあえず隣人だけでもと、洗剤をもって挨拶に行った。その時はすごい美人だなとは思ったけど、本当に挨拶を交わしただけだった。

そして4月になり、助教として着任して最初の学期が始まった。上司にあたる水口先生は、大学の先生にしては規則正しい生活をしている人で、僕も、今までの昼夜逆転の生活を改め、朝早くに通勤するようになった。

たまたま、毎日の通勤時間が美穂さんと同じで、バス停で毎朝一緒になり、徐々に話すようになった。共通の趣味が珈琲だったのが、僕と美穂さんが親密になった最大の要因だろう。趣味が同じだと、話が盛り上がりやすい。

美穂さんは自宅にエスプレッソマシンを持っているそうで、ある日、飲みに来ないかと誘ってきた。出会ってまだ一か月もたっていない、しかもただの隣人だし、朝の通勤時にちょっと会話するだけの仲なので、躊躇する気持ちもあった。でも、エスプレッソの魅力には勝てない。。。いや、30近くまで理系学生として研究に没頭していた僕には、美穂さんのような美人の誘いを断る事なんてできるはずがない。それどころか「はい」とちゃんと返答できたかも覚えてない。なんか挙動不審な返事をしてしまったような気もする。とはいえ、次の土曜日の午後にお邪魔する事になった。

土曜日。僕は午前中は大学に行き、ちょっとした事務的な雑用をこなし、約束の時間までの暇つぶしをしていた。朝から落ち着かず、家にいると隣の部屋が気になってしまってしょうがないからだ。約束の三時前に家に着いて、シャワーを浴びた。服はどうしようか。いや、デートでも無いのに、何で俺は、舞い上がっているんだろう。平常心平常心。

そうこうしているうちに三時になり美穂さんの部屋に行った。

「ピンポーン」

「ハーイ。ちょっとまってて!」

部屋の中からドタドタと慌てた音が聞こえた。間が悪かったかな?そう思っていたのも束の間、ドアがそーっと開き、中から白のワンピースを着た美穂さんが顔をのぞかせた。

「いらっしゃい!さぁ入って入って」

促されるままに部屋に入る僕。間取りは私の部屋と左右逆なだけで同じだ。入ると短い廊下の様なスペースになっており、扉が三つ。右が寝室、左がトイレ・洗面・洗濯機・お風呂がある水回りの部屋、そして正面がLDK、つまりリビング・ダイニング・キッチンが一体となった部屋だ。

間取りは殆ど同じはずなのに、リビングに入ると、まったく別の部屋のように思えた。ここはカフェか?生活感があまり感じられない部屋で、LDK全体がカフェのようになっていた。ドーンとカウンターにステンレスの大きなエスプレッソマシンが鎮座していた。イタリア製のハイアマチュア用のマシンだ。てっきり、デロンギか何かの少し高級な機種を想像していたけど、予想をはるかに超えている。良い意味で裏切られた。これは凄い。


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