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理工学部 浦野准教授
【教師 官能小説】

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新入生合宿にて 〜 真紀ちゃんとの出会い-1

僕が大学に着任した六年前の話から初めてしまったけど、今の浦野研を主力として支えてくれている博士課程一年生の佐野真紀と出会ったのもその頃だ。珈琲を介して隣人とお近づきになった五月、僕はやっと勤務先の大学にも慣れてきた。僕は助教なので、学生実験しか講義担当がなく、他の時間は自分の研究と、その当時所属していた水口研の研究室の学生の研究指導に割いていた。結局は実験や研究のお世話をしていたので、自分が博士課程に居た頃とあまりやっている事は変わっていない。

そんな時、学部長の作田先生から「新入生合宿」というイベントに誘われた。今年入学した学部の学生全員が参加する一泊の合宿研修だそうた。大学には授業の無い日と言うのが必ずある。うちの場合は木曜日だ。木曜の午後は教授会だの各種委員会の会議日にあてるという事で、講義が設定されていない。午前中は講義もあるが、一年生は新入生ゼミと呼ばれる、勉強というよりは、研究室に仮に所属させ、大学っぽい雰囲気を味わってもらうために作られた講義しか無い。そこで、この合宿は水曜の講義が終わった後に、バスを連ねて、同じ県内にあるセミナーハウスと呼ばれている施設に行って、大学生としての心のもちようだったり、今後のキャリアパスに関しての講演を泊りがけで聞くというイベントだ。ただ、これは表向きの理由。実際には、同じ学部の学生同士に仲良くなってもらったり、あるいは教員ともっとコミュニケーションをとってもらうためのイベントである。

僕が学生の頃も、そんなイベントがあった。晩飯会場に行くと、ずらーーーっとビールやサワーの缶が並んでいて、学部長が一言「二浪している奴だけが飲んでいいぞ。その他の奴はお茶とジュースがあるからな〜」と案内してたっけ。二浪している奴なんてそう多いわけじゃなく、どう考えてもお酒とお酒以外の割合がおかしいんだけど、誰もそれを指摘しない。そんな時代だった。

今は、違う、さすがに、公式に飲ませる訳にはいかない。晩飯は粛々と過ぎていく。まぁ、晩飯が終わった後、学生同士、部屋で飲んでいるみたいだけど、そこは詮索しない決まりだった。ボランティアで参加している上級生が、いつもどこからかお酒を調達してきているらしい。でも、まぁ、ここは女子大なので、そんな激しい飲み方をする人はおらず、これまでに問題が起きた事はないようだ。

このイベントには、新人教員も誘われるそうで、今年は私に白羽の矢がたったのだそうだ。大学業界では、研究以外の事を「雑用」と言が、女子大学生との泊りがけのイベントは、雑用の中でも、楽しい雑用と言えるだろう。私はもちろん参加を快諾した。

僕は主に三年生の学生実験と四年生・大学院生のゼミ指導のみを担当していたので、入学したての一年生はとても若く見える。水曜の授業後、バスで二時間かけてセミナーハウスに行き、講堂で学部長の話の後、夕食だった。さっき話したようにアルコールは無しだ。参加した教員は各テーブルに分かれて座り、新入生との懇親を楽しんだ。僕のテーブルには10人程の学生がいたが、みんな本当に若々しく希望に燃えていた。後に僕の研究室の第1期生になり、博士課程まで進学して主力になってくれている真紀ちゃんとの出会いはこの時だった。

佐野さんはとても小柄でサバサバした性格の子だ。そのイメージはその時も今も変わっていない。僕は水泳をやっていたので、彼女の広い肩幅に少し丸みを帯びた筋肉を見た瞬間、水泳をやっていたなとピンと来た。聞いてみると3歳からスクールに通っていた根っからのスイマーで、この大学の水泳部にももう入部したそうだ。

ここのセミナーハウスの夕食の不味さは新人の私にも聞こえてくる程に有名だったが、たしかに不味かった。でもテーブルを囲う若い18歳達との、学問や講義ではない、普通の会話は、これはこれで新鮮で、とても楽しかった。

夕食の後は自由時間である。教員にとってはここからがある意味本番で、別棟のコテージで飲み会が開かれる。毎年、幹事の先生の車にしこたま酒が積み込まれているんだそうな。大学というのは、あまり教員同士の繋がりが無い組織構成になっている。助教のような若手にも個室が与えられ、自分の研究室の学生のみを指導し、あとは講義さえやっていれば良く、他の先生と顔を合わせるのは教授会等の会議や「雑用」の時だけだ。自分の研究室のボスとは飲んだことがあったが、他の先生と飲むのはこれが初めてだった。

大学教員の飲み会の会話は、これを言うとイメージが崩れるかもしれないけど、酔っぱらっていくと、今年の新入生のカワイイ娘は誰だ?とか、そんなろくでもない会話になる。日付が変わり、そろそろという事でおひらきになった。私は一番若手という事で、飲み会をやっていたコテージに、幹事の植村先生と残り、他の先生たちはそれぞれのコテージに帰っていった。


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