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あるカップルのSM
【SM 官能小説】

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2話-1

 それからちょうど一週間後の夕方。ついにSMプレイをする日がやってきた! 春斗は高揚感がにじみ出た顔で朱莉を家に迎え入れた。朱莉はいつもより頬を赤らめていて、おずおずと玄関に入ってきた。
「今日はもちろん、泊りだよね?」
 朱莉の鞄をリビングに持って行きながら、春斗は振り向いて聞いた。
「うん」
 脱いだ靴を丁寧に揃えてから朱莉が返事をし、春斗のあとをトテトテついていく。ソファの前のテーブルに朱莉の鞄を置いた春斗は朱莉にソファに座るように言って、テレビのスイッチを入れてテレビを付けた。朱莉は言われた通りにソファの上にちょこんと座り、流れているワイドショーを見始めた。
「夕飯はエビフライでいい?」
 春斗はキッチンに行って、冷蔵庫からエビの入ったトレイを出し、両手で持って朱莉に見せた。
「うん。手伝うことない?」
 朱莉はソファから立ち上がってキッチンに向かってきたが、春斗はそれを右手を出して制した。
「いいよ、いいよ。お客さんはくつろいでな」
「そ、そう? わかった。でもお料理出来たら言ってね? テーブルに運ぶくらいはするから」
 朱莉は申し訳なさそうにソファに戻って再度テレビを見始めたが、気になるのか、時々チラッと春斗の方を見てくる。なので春斗はその視線をいちいち気にしながら料理しなければならなかった。


「我ながら美味しくできてたな。ごちそうさま」
 朱莉が食べ終わるのを待って、春斗は食器をさっさと洗い始めた。味噌汁の入っていたお椀をすすぎながら、春斗は朱莉に言った。
「シャワー、先に入っていいよ。お湯の出し方知ってるよね?」
「うん。上がったら声かけるね」
「おう」
 朱莉は鞄から洗面具を取り出して風呂場へ向かい、春斗は食器洗いを済ませると自分の寝室へと向かった。
 「うんうん。大丈夫なはず」
 クーラーの電源を入れてから春斗は、自らのベットに取り付けた拘束具の確認を行った。アダルトショップで顔を伏せながら買った物だ。何度か引っ張ってみてベルトの強度を確かめ、マジックテープで装着する枷部分も留めたり外したりを繰り返す。
「春斗くーん。上がったよー」
 朱莉の呼ぶ声が聞こえ、春斗は湧き上がる興奮を隠して彼女の元へ向かった。
「シャワーどうぞ。あと、コンセント借りるね?」
「うん」
 春斗の了承を得ると朱莉は私物のドライヤーから延びるコードをコンセントに差し込み、髪を乾かし始めた。その後ろで服を脱いだ春斗は、浴室に入ってシャワーを浴びた。
 十分くらいで済まし、ハーフパンツにTシャツを着てリビングに入ると、朱莉はバスロープに身を包んでいた。少し股間が反応してしまったのを春斗はそれとなく隠したが、よくよく考えればもう何分かすれば事に及ぶので、気にする必要はなかったかもしれない。
「朱莉……そろそろ、行こうか?」
 もちろん行先は寝室である。春斗の鼓動は初めてのとき以来の脈拍数を数えていた。
「うん……」
 それは朱莉も同じであった。春斗の後ろをトテトテ歩きながら朱莉は胸に手を当てて自分の鼓動を確かめる。百メートル走を走り切った後のように鼓動が早い。
 胸の高鳴りを春斗と平静を装って寝室のドアを開けた。


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