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エスが続く
【OL/お姉さん 官能小説】

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2. Sentimental Journey -20

 縋るように訴えてくる悦子に向かって、顔を寸前まで近づけてくる。あと少し顔を進めてさえくれれば、唇が触れるのにそうはさせず、
「ほんとはこういう風にされたかった?」
 悦子は落ちそうになる瞼を必死に開きながら小刻みに頷いた。
「じゃ、これからは……」一度だけ軽く唇が触れられる。「……エッチするときは、たくさんイジめるよ? いい?」
「う、うん……、あ……」
 もう『あんた』とは呼べない。今は『平松』とも『平松くん』とも呼びたくない。かといって『平松様』などと芝居がかって言うのは遊戯めいてしまって嫌だった。「翔ちゃんのしたいようにしてっ」
 恋人をちゃん付けなどで呼んだこと無い。だがこの呼び方が一番相応しいと思った。悦子はもう我慢できなくなって、舌を差し伸ばして平松の唇の上も下も這わせて催促した。
「ほら、悦子」
 抱き寄せたまま一緒に身を起こすと、悦子の体を俯せにしながら、膝と両手を立てさせた。獣のスタイルにされ、平松が背後に消えていく。そんなポーズをしただけで、後ろからの平松の視線を強かに感じて悦子に妖しい期待感が渦巻いた。
「バックはしたことある?」
 編んだ髪をまとめているヘアクリップを外されて肩先に髪が落ちる。問われた悦子はその髪を振り乱して首を振った。したことがない。だが平松にされるならとてつもなく気持ちいいに違いなかった。
「お尻もっと突き出して」
「ん……、こう?」
「Tバック、すごく似合っててヤラしいよ。はみ出ちゃいそうになってる」
 平松が激しくしゃぶりまわしたせいなのに揶揄されて、悦子は思わず片手を後ろに回し、隠しきれるものでもないのに手をヒップの狭間に添えた。
「ん? 自分でしてくれるの?」
 そんなわけはないのは分かっているくせに、平松は嘲弄を含んだ声で、「自分で横にズラして、挿れれるようにして」
「ううっ……」
 躊躇ったがほんの短い時間だった。悦子はネイルを施した美しい指をTバックの細い生地に引っ掛けると、自分でヒップの上に滑らせるように、裂かれたストッキングの縁まで引っ張って露わにさせた。
「全部見えたよ。……悦子のアソコ、すっごくイヤラしくなってる」
「んっ……、翔ちゃんのせい……」
「お尻の穴も丸見え。悦子の見せてくれてありがとう」
 声音には感謝の色はなく、はしたないことをしでかしている悦子へのからかいしかなかった。後ろを見せているということは、菊門を見られることもやむを得ない。だが敢えてそれを言われると羞恥が倍増してくる。
「み、見てないで、早くいれてっ」
 平松に向かって素直に突き出しているヒップをもどかしく揺すった。
「……もう一回オネダリして?」
 コンドームを装着して扱いて馴染ませながら平松が膝立ちになる。四つん這いのまま頭を伏せて脚の方を逆さに見やると、平松の膝が近づいてくるのが見えた。
「もぉっ……! いれてっ、翔ちゃんのおちんちんっ! はやくっ!!」
 いつまで待たせるのか、おかしくなりそうになった悦子が羞恥を押し殺して大きな声で言うと、大きな亀頭が入口に押し当てられたかと思うと、ズブズブと音でもしているのかと思うほど、熱くなった悦子の中に一気に入ってきた。初めてのバックスタイルだったから、知っているのとは全く違う角度で、全く異なる圧迫感で悦子の中を抉ってくる。そろそろ到達点かと思ったのに、想像以上に深く悦子の体内に男茎が押し入ってくると子宮口を押し込んできた。
「うああっ! す、すごっ……」
 手を付いていられなかった。枕に顔から落ちた悦子は、たった一回目の侵入で絶頂に達していた。下腹がもげて無くなりそうなほど、まるでそこが別の人格になったかのような浮遊感だった。それでも気を失わないのは、奥まで入ってきた平松の男茎が静止しているのにも関わらず、激しい脈動で中を弄ってくるからだった。
「悦子……。俺も気持ちよくなっていい?」
 顔を伏せたままヒップだけ高く上げている恰好のために、更に艶美なラインを形作っている悦子の腰を両手で強く掴んできた。
「ま、待って……、こ、これ、すごすぎて……」
 枕から横顔を向けて後ろに訴えている間に男茎が引かれていく。来る、と思って気を身構えたが、全く相手にならなかった。容易くそのガードを崩し、強烈な打突が見舞われて、悦子のヒップと平松の下腹が大きく鳴った。
「ほらっ……、え、悦子、パンパンっていってる」
 平松の言葉にも、悦子は打ち付けられる度に悲鳴とも嬌声ともつかない、野生の小動物のような高い鳴き声を放っているばかりで答えられなかった。シーツを掴んでも、歯をくいしばっても、傘が襞を擦り、奥が亀頭の先に打ち付けられるのに耐えるべくもなかった。次の一撃を耐えしのげるのか、それともそれで絶頂に達してしまうのか自分でも分からず、一気に男茎が入ってくる挙動を見せるだけで、イク、と大きな声で叫んでいた。


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