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プラネタリウム
【ラブコメ 官能小説】

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D.-4

記録は20時過ぎまでに及んだ。
他チームの人はとっくに帰っている。
今日もビリだ…。
大量のファイルを手にしながら夜勤者に別れを告げ、休憩室に入る。
また、瀬戸に呼び出された。
貸しってなんだ…こんなんならレポート書いた方がマシだ…。
そう思いながらロッカーからバッグを取り出し、2階にある更衣室へと向かう。
足が鉛のように重い。
瀬戸に言われた通り駐車場に行く自分が愚かとも思うが、今日の事があったと思うと、行かざるを得ない。
トボトボ歩いていると、背後から「遅い」とど突かれた。
「…っあ!」
「ノロノロ記録してんじゃねーよ」
「すみません…」
「腹減ってる?」
「えっ?…あ、ハイ」
陽向がそう言うと、瀬戸は陽向の腕を強引に掴み、歩き出した。
「…いっ!…どこ行くんですか!」
「腹減ってんだろ」
瀬戸はそれだけ言うと、近くの車の助手席に陽向を放り込んだ。
「いぁっ!」
「行くぞ」
瀬戸はそう言いながら運転席に座ると、アクセルを思い切り踏んだ。
「…やっ!」
身体がグンとシートに押し付けられる。
身体の位置を整えようと試行錯誤する。
近くの信号に引っかかったのだろうか。
今度は身体が前に転げ落ちる。
「ぎゃぁっ!」
ダッシュボードに頭をぶつけ、陽向は悲鳴を上げた。
「痛った…」
「シートベルトしろよ」
瀬戸は陽向のパーカーを掴み、助手席に座り直させた。
「瀬戸さんがいきなり走り出すからじゃないですか」
陽向がそう言うが瀬戸はそれを無視して「何食いたい?」とぶっきらぼうに言った。
「……」
「シカトすんな」
「…瀬戸さんが食べたいものでいいです」
シートベルトを締めながらぶっきらぼうに返す。
「あーそう…じゃあ」
瀬戸は陽向の頭を掴んで「お前でもいーの?」とニヤついた。
心臓がギュッとなったのも一瞬で、みるみるうちに怒りに変わる。
「そんな冗談…聞きたくないです」
怒りで声が震える。
ここから逃げ出したい。
けど逃げ出したら、ひどい仕打ちが待っているかもしれない。
瀬戸なら何だってやりかねない。
それに、車を走らせてきたこの場所がどこなのかも分からない…。
瀬戸は鼻で笑い、「ここでいい?」と近くにあったファミレスに乗り込んだ。
陽向は何も言わなかった。

窓際の席でメニューを開く。
「お前、どれにすんの?」
「あ…瀬戸さんは?」
「俺はもー決まってんから。早くしろ」
「えっ?!…じ、じゃあグラタンで…」
「は?ここハンバーグ屋だぞ?!なのにグラタンって…」
「いーじゃないですか!グラタン好きなんだもん!」
陽向は、はっとなって口を塞いだ。
「…好き、なんです」
瀬戸は「あっそ」と言って呼びだしボタンを押した。


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