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夜羽球の会
【調教 官能小説】

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合宿-1

 あの夜から、週に数回は佑香里と身体を重ねている。もはや、タツミは佑香里との間に依存的な関係抜きに生きようとは思えなくなっていた。佑香里自身もそのようになっていると思われた。相手は相手で、自分に依存するような関係を維持しようとしている。一種の頽落ではあるかもしれないが、別にそれで何か問題があるわけではない。日常生活は普通に送っている。ただ少しばかり、肉体のつながりが激しいだけだった。はじめの数週間はただ快楽を貪るようにして性行為を行い、それが終われば何ということもない日常に帰っていくだけだった。肉欲を満たすための言葉以外は特に交わさない。そんな風に生活を送っていた。
 しかし、一週間ほど前から、佑香里はタツミに個人的にメールをすることも多くなり、学内でもすれ違えば積極的に話しかけてきて、身体を重ねるときも性に関わること以外の話をしてくるようになった。
 色々な話をしたが、どうやら佑香里はタツミに夜羽球の会を退会してほしいということを言いたいらしい。自分との関係は今のまま、あるいはそれ以上に進めてもいいが、とにかく夜羽球の会とは距離を置いてほしい。そういうことを繰り返し、佑香里はタツミに求めてきた。

 佑香里の話を聞いていると、どうやらやはり、あのサークルというのは良いサークルではないらしい。もちろん、佑香里を囲い込んで性欲処理のための人形として弄ぶようなサークルだ。良いサークルのはずがない。
 ただ、それを言うならその体制を利用しているタツミもその仲間の一人である。結局、佑香里をこれまでみたいにセフレのように扱うというのなら、タツミが退会をしたところでやることは変わらない。だからおそらく、あのサークルにはもっと別の闇が潜んでいるのだ。佑香里はそれを明言しようとはしないが、言葉の端々からその臭いが感じ取られる。正体は分からないものの、良くないものではあるらしい。
 バドミントンをしたいなら他にいくらでも方法はある。もし退会をして心残りがあるとすれば、もう佑香里を抱くことはできないのかということだったが、それも佑香里自身が保証をしてくれた。こうなってしまえば、別にタツミは会に在籍するつもりはない。わざわざ火中で栗を拾わずとも、皿に盛られた安全な栗を食えばいいだけである。

 もはや、タツミと佑香里は単なる身体だけの関係には収まりそうもないのは事実である。それだからこそ、佑香里も「今以上の関係に進めてもいい」と言っているのだろう。となると、タツミにとって佑香里はただのセフレではなく、もっと身近で大切な存在になる。だから、退会をするにしても、タツミにとっての最後の気がかりは佑香里自身の身の振り方であった。
 今以上の関係になるならば、これまでのように他の会員に佑香里を弄ぶことを許すのはいささか釈然としない。それに、サークルが良くないところであるのならば、そこに佑香里を残していこうという気になれるはずもない。
 そんなことをタツミは佑香里に述べた。佑香里は穏やかな表情をして、それは大丈夫だと言った。タツミが退会をしたあとで、続いて自分も距離をとっていこうと思っているらしい。

 もちろん、それですんなりと納得できるわけはないが、佑香里は絶対に大丈夫だと言い張る。
 良くないサークルではあるが、佑香里が本気で拒めばそれを無視するほど悪い人達ではないと言う。そもそも、自分はあの歪な関係に無理矢理巻き添えにされたのではなく、むしろ自分が積極的に意思をもって巻き込まれていったのだとも語った。
 だから、そんなに心配することもない。こういうときのために予防線は何重にも張ってきたし、手の打ち方も考えてある。普段から会長からも、やめたいときにはやめたいと言えばいいと言われている。とにかく自分は大丈夫だから、まずはタツミから退会をしてくれ。
 佑香里はそう言って何度もタツミを説得した。





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