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good communication
【若奥さん 官能小説】

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デート、開始-6

いい歳したオバさんが、勘違いファッションを指摘されたことに逆ギレして、下着姿で泣き喚くこの光景は、天童さん達の目にはどう映っただろう。


さも残念なものを見るような目で、私を見ているんだろうなってわかっているけど、それでも涙は止まらなかった。


いや、むしろ次々に込み上げてくる涙で嗚咽まで漏れてくる。


しゃくり上げながら泣いていると、やがてすぐそばでヒロさんの、ふう、というため息が聞こえてきた。


そして、次の瞬間に急に白み始めた視界と、いきなり香ってきたホワイトブーケの甘い匂い。


何かが私の頭上に降ってきた。


咄嗟に私の視界を遮ったものを手に取ると、そこにはさっきまで彼が腕に引っ掛けていた洋服が。


「…………?」


グスグス鼻をすすりながらまんじりとそれを眺めていれば、


「とりあえず逆ギレするのは、それを着てみてからにしてくれる?」


と、相変わらずの冷めた視線にどことなく笑っているような口元で、ヒロさんは私を見つめていた。







違和感があるとそわそわ落ち着かなくなるのは、何故だろう。


今まで生きてきた中で、自分では決して選んだことのないデザインのワンピースを纏った私は、大きな鏡の前でぎこちなく前から後ろから、映る姿を眺めていた。


……なんか、地味じゃない?


今でこそダサいオバさんだけど、若い頃はそれなりにブイブイ言わせてた私は所謂「ギャル」に分類される人種で、ミニスカートは当たり前、胸元を大きく開けたり、露出度の高い服なんてお手の物だった。


ところが、今の私の服装ときたら。


アイボリーのシンプルなノースリーブのワンピースは、私のワンピースよりも若干丈が長くて膝が隠れるくらいの、胸元の開き具合が控えめな、よく言えば無難、悪く言えば面白味のないデザインだった。


これだったら、私が選んだワンピースの方がセクシーだし、デザイン的にもオシャレに見えるのに。


そんな私の頭の中を見透かしたように、ヒロさんが拳を口元にあてながら不敵に笑っていた。







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