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good communication
【若奥さん 官能小説】

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デート、開始-5

「例え、あたしや吾郎がノーマルだったとしても、あなたみたいな色気のない女の身体を見たって、勃つもんも勃たないわよ」


ヒロさんの言葉が刃になって、私を突き刺す。


「ちょ、ちょっと、ヒロォ……」


ズバズバ言ってのけるヒロさんに、天童さんがグーを口元に持っていくぶりっ子ポーズでオロオロし始めた。


だけどヒロさんは歯止めが聞かなくなったらしく、次々に私に辛辣な言葉を投げてくる。


「露出しときゃどうにかなるって安易な考えがバレバレなのよ」


「下着だって、デザインだけで選んだ安物だし、サイズも合ってないし」


「よく見りゃムダ毛の処理も完璧じゃないし、あんたホントにやる気あんの?」


同じ毒でも、天童さんのよりもヒロさんの方がかなり痛かった。


それも、明るい天童さんとクールなヒロさんの人柄の違いだろうか。


心を抉るような言葉は、平々凡々でのんきな日々を送ってきた私には到底受け止められなくて、次第に目の奥がじわりと染みてくる。


そして何かがブチッと切れた私は、今にも涙がこぼれ落ちそうな目でヒロさんを睨み付けた。


「何よ! あんた達みたいに外見ばかり気を遣える余裕なんてないのよ、私は!」


私の大きな声に、ヒロさんがピクッと眉を動かし、目を細めた。


「毎日育児や家事に追われて、ファッション雑誌なんて全然買えない、テレビだって子供向けの番組ばかり観て流行から取り残された子持ちの主婦が、オシャレになれるわけがないでしょ!?」


こうなったらもう止まらない。


オシャレをしたくても出来ない、そんな正当化された理由があるのだから。


「子供を寝かしつけたら、洗濯でしょ、旦那の次の日のお弁当の下拵えでしょ、なんやかんやで寝るのはいつも日付が変わる頃よ! 朝は朝で、朝食の準備や後片付け、掃除に買い物してればあっという間に娘が幼稚園から帰ってくるし、それからおやつ用意して、ご飯作ったり、娘と遊んであげたり……。そんな毎日で自分を着飾る余裕なんてあるわけないじゃない!」


「ちょ、ちょっと、里枝ちゃん落ち着いて……」


「さすがに女を捨ててるみたいな生活に危機感持ったから、デートの計画立てたけど、オシャレから遠ざかっていた主婦が一朝一夕でセンスよくなるわけないでしょ! それでも、ないお金をやりくりしてこの日のために一生懸命服を選んだのに……。綺麗になって、悩んでたセックスレスを解消できますようにって少しだけセクシーなカッコをしたのがそんなにいけないの!?」


そこまで言い切ると、感情が爆発した私は、涙と鼻水まみれになってワアワア泣き出した。





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