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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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決死のKiss-2

私、何走ってるんだろう…。

避ける必要何て何処にもないのに。突然現れた彼にイラついてるんじゃない、彼を信じれれない自分にイラついているんだ。

「杏っ!待ってくれ、杏っ!」
「っ……。」

しつこく追いかけてくる彼、本当に絆、なの?

彼は死んだんだぞっ!手術に失敗してそのまま臓器が見つからず、彼の親が葬式会社から出て行って。

廊下の静寂を破る私たちの足音。

でも、菫は言ってた。彼は生きてるって…。葬式から出たからって死んだ訳じゃ。それに彼はさっき「臓器は拓海クンが」と。拓海クンって確か絆と仲の良かった…。

それに私の前に現れたのは、どう見ても…。包み込むような優しい声、見慣れたおっとりとした顔、やっぱりあれは。

でも、それでも信じられない、いや受け入れる勇気が湧かない。

「杏っ!待ってくれっ!杏。」

無我夢中で地面を蹴り、気が付けば川辺付近まで辿り着き…。

そのまま彼から逃げたい一心で、気温が低いにも関わらず冷たい川の中へ足を踏み入れ。
絆も私を追うため川へ入り。

寒い冷たい…、自殺未遂で負った傷とここまで走って体が衰弱し、川の流れもあって歩くのがとっても重たく。

「杏っ!」
「っ……。」

鈍い私を容易く捕まえる絆、背後から肩を掴まれ。私は抵抗するもそんな体力も気力も失せてきて、そのまま彼と顔を合わせる事に。

「杏、杏っ!」
「……。」

お互い服がずぶ濡れ、ダガそんな事、今は関係なく。

「……今まで連絡一つしないで、ごめん。僕、恐かったんだ…君に避けられるんでないかって、また再発でもするんでないかって…。」
「……。」
「でもっ!真雄から聞いた、君が僕の為に命を絶とうとしてたって!。…そこまで追われているのに、そんな不安を真に受けて臆病になり、会おう事を躊躇って。」

必死に私に問いかける彼、やっぱり、生きてたんだ。

「だけど僕は、もう…逃げたりしない、万が一また再発しても、君の傍に居るっ!」
「きず…な。」

ひ弱な彼からは想像も出来ない程強く私を抱きしめる彼。少し痛いけど彼の温もりと想いがひしひしと伝わって来る。

「絆、絆…逢いたかった、逢いたかったよっ!」
「僕も、もう二度と君の傍から離れないっ!僕の…世界で一番愛おしい人。」

満月の下、冷え切った体…。でも心がこの上なく、暖かい。

これは、夢何かじゃ…ないんだよね。

そして彼はそのまま決死の口づけをする。

次回、29話に続く。


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