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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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決死のKiss-1

時が止まり僕と杏だけの空間。

満月が見守る中、物音一つ鳴り響かない病室。

幽霊でも見るような険しい表情を、僕に向けるずっと逢いたかった最愛の人。

戸惑いはありつつも、一歩…また一歩彼女の居るベットへ近寄り。

「杏、……大変、だったね……でも、もうっ。」
「貴方、だぁーれ?。」
「!?」

予想だにしない返答、それでも屈する事なく。

「何言ってるの?、僕だよ。」
「嘘。」
「えっ?」
「彼は死んだのよ?病に侵されて!…もうこの世には居ないっ!」
「杏…。」
「黙れっ!偽者!…どうして?何で皆して私をからかうのっ!どうしてぇ。」
「落ち着いてっ!僕は本物だっ!治ったんだよ、拓海クンの臓器を使って。」

ベットの上で体を抑えるも乱心し暴れる杏。

「放せ偽物!一体誰に頼まれてこんな酷い事をするのっ!?」

彼女の中では、自分に恨みを持つ人間が誰かに頼んで僕そっくりに化けて嫌がらせをしたと思ってるみたいで。

「帰れっ!帰れっ!ムカつくっ!」
「痛たたっ!杏っ!杏ってばぁ、落ち着いて。」
「五月蝿いっ!気安く名前を呼ブナ!」

あぁ、語尾が…。近くの物を手当たり次第投げつけ、うっとおしい偽者を追い出そうとする彼女。

「杏っ!僕をしっかり見て!」

再び近寄ろうとした途端、ベットを勢い良く離れ、廊下の方へ走り去る。

「杏っ!」
「クルナ!クルナ!」





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