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はるかぜ
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ブバルディア-2

コンコン。
ドアがノックされ雨水が顔を出す。
黒いタキシードを着て長い髪を後ろで一つに束ねている。

「おはよ、りっちゃん」


よっと手を上げる。わたしも同じように手を上げた。

「なんか凄い所だね」

ふふっと笑ってそう言うと雨水は満足そうに頷いた。

「なんたって一年前から予約してたからね」

それは、すごい、と思う。
それだけ新曲に熱が入っているのだろう。


わたしはいつもそうなのだが、新曲を聴かせてもらえない。
変にイメージが付くよりは大まかなイメージのみ伝えて撮影することを雨水が好むからだ。


「今回は……幸福だっけ?」


わたしの言葉に雨水が頷く。
教会から連想するに花嫁とかなんだろうなーと、思って密かに嬉しくなった。


「いいな、こんな教会でわたしも式を挙げたいよ」


にっこりと雨水に微笑みかけると雨水はそっと近づいてきて私を抱き締めた。

「だいじょーぶ。りっちゃんなら叶うよ、その夢」


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