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good communication
【若奥さん 官能小説】

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デートプランを立てましょう-3

「ところでさー」


妄想の世界に行きかけた私を、天慈くんの声が呼び戻す。


ハッと我に返って彼を見れば、端正な顔が白い歯を見せつつ、意地悪そうに笑っていた。


「な、何?」


「デート、って一口に言うけどプランは立ててるの? 兄貴はまだこの計画知らないんだろ?」


「うん、まあ……ね。でも、映画とかドライブとかいいんじゃないかなあって考えてるよ」


「ふうん……。デートコースを考えてるならいいんだけど」


そう前置きした天慈くんは、たっぷり汗をかいてしまったグラスを持つと、アイスコーヒーをズズッと吸い上げる。


そして、ニッと笑ってから、


「せっかくのデートなんだからさ、ここは気分を変えて待ち合わせしてみるってのはどう?」


と、言った。


「待ち合わせ? なんでわざわざそんな面倒くさい真似……」


一つ屋根の下で暮らしてるのに、そんなまどろっこしいことをする必要がわからない。


眉間にシワを寄せて首を傾げる私を、彼はクスクス笑う。


「だからいいんだろ? 恋人気分でデートしたいなら、新鮮さを出さなきゃ。んでさ、その間に里枝さんは美容院行って髪もメイクもちゃんとやってもらうの。里枝さんが待ち合わせ場所にとびっきり綺麗にして現れたら、兄貴も絶対惚れ直すよ」


「…………」


惚れ直す、という言葉に、身体がピクリと反応する。


結婚してもうすぐ7年。輝くんはいつも私を大切にしてきてくれていたし、私を愛してくれてるとは思う。


だけど、共に歩んできた結婚生活の中で、その愛の形は確実に変わってきたとも思う。


例えるなら、以前は燃え上がるような激しい炎だったのが、今じゃガスコンロの小さな炎のような。


そんな穏やかな愛情ももちろん幸せだけど、恋愛対象として燃え上がるようにもう一度愛を復活できたら、やっぱり今よりも幸せを感じることができると思う。




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