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ひこうき雲
【SM 官能小説】

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(その1)-9

私の二本目のAV「幼な妻 夜這い悶絶」を、あの看護婦さんが私のコンビニに買いに来たの
は金曜日の夕方だった。彼女は私が病院に行ったことを知らない。もちろん、私がカオルくん
を知っていることさえ知らないのだ。

ちょっと思ったんだけど、このAVに出ている「風間 澪」って女の人、何となくあなたによ
く似ているわよね。失礼なこと言ってごめんなさいね。でも若い女の子って大胆よね。私みた
いなオバサンにはとてもできないわね。それにしても、このAVを頼んだ患者さんって、目が
見えないのにこんなAVを買ってきて欲しいだなんて。見ることができないけど、もしかした
ら初恋の女性じゃないかってずっと気になっているのよね。

あれ、この前、言わなかったかしら。彼は三年ほど前からまったく目が見えないの。だから、
買ったAVの音声だけを聞いているのよ。とても難しい眼の病気なのね。詳しいことは言えな
いけど。若いのにかわいそうな話なのよね。えっ、それで「風間 澪」は彼の高校時代の初恋
の女性だって彼が言っているのかって。彼は違う女性の声だと言っているわ。そうよね…初め
て好きになった女性がビデオの中で変なことやっているなんて嫌よね。あらあら、もうこんな
時間だわ。ちょっとおしゃべりが過ぎたわね。


私は茫然として彼女の後ろ姿を見送った。カオルくんの目が見えない…って、いったいどうい
うことなのよ…。


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