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ひこうき雲
【SM 官能小説】

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(その2)-1

部屋のテレビの画面に映し出された私のAV映像…。

初めてのSMもののアダルトビデオを撮った六年前のことだけは、私は今でもよく憶えている。
映し出された画面の中で悩ましく苦悶する懐かしい自分の表情がまったく別人のようにさえ
感じられる…。

後ろ手に胸部を縛られ、両肢を開かされたまま天井の鉄管から鎖で逆さ吊りにされた全裸の私。
宙吊りにされた両脚の足首は股間を裂くように竹竿の両端に縄で縛られ、腿の付け根を無残に
晒していた。

カメラが宙に向かって晒された私の下半身をとらえる…。

妖しい灯りを肌に滲ませ、身悶えする私の白いお尻とむっちりとした太腿の肉肌が強ばり、
ふるふると小刻みに震えていた。開いた両肢の付け根に生える漆黒の繁みの奥に秘められた肉
の割れ目をカメラがなぞるように這いまわる。

薄笑いを浮かべた男が逆さ吊りにされた私の股間の上部に赤い蝋燭をかざす。ゆっくりと溶け
た熱蝋の雫が蜜色の光を放ちながらしとしとと滴り、朱色の筋を描いて内腿から股間の割れ目
へと垂れていく。

…うぐぐっー うぐ…うっ…

逆さに吊られた私の身体が海老のように烈しく反り返る。画面の中の私は眉根を苦しげに
しかめ、黒い玉枷を噛みしめながら烈しい嗚咽を洩らしている。男が手にした蝋燭の炎が妖し
くゆらぎ、先端からゆるやかに零れた数滴の熱蝋が肉の割れ目を次々に襲い、肉唇の溝を赤く
染めていく。

画面の中の私は白い咽喉をのけ反らせ、肌に迸る苦痛を切なげに追い求めるように悶え喘いで
いた。断続的に垂れる熱蝋は、容赦なく私の肉裂を苦痛という痺楽で充たし、下半身は生きた
魚のように何度も跳ね上がる。


…ぐぐっーあぐっ、ううっー…

身悶える私の唇から声にならない烈しい嗚咽が洩れている。髪を振り乱し、額に汗を滲ませた
私は苦しげに喘ぎながらも、唇から愉悦に充ちた涎さえ溢れさせている。

カメラが悶える私のからだをいやらしくなぞるようにとらえていた。繰り返される陰部の熱蝋
責めによって、映像の中の私は火照った下半身を烈しく仰け反らせ、恍惚とした蠱惑の淫虐に
酔ったような嗚咽を洩らし続けていた…。



私は画面に映し出された自分のアダルトビデオのスイッチを切ると、ベッドに投げ出した下着
姿の自分のからだに手を這わせる。薄い下着の上から乳房の突起に触れるとからだの火照りと
胸の鼓動が掌に微かに伝わってくる。

ゆっくりと目を閉じる。微睡むような気怠さとともに、ビデオの画面の中のあの頃の私の姿が
陽炎のようにゆらゆらと脳裏に浮かんでくる。

生地の上から乳首の縁を指でなぞりながら掌を乳房のふくらみに絡ませる。微かに汗を含んだ
下着の生地が指に張りつきながらも私は自らの乳房に強く指を喰い込ませる。


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