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冥土の土産
【SF 官能小説】

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アリカ……そして-3


 俺はずっと溜まっていた疑問を奴らにぶつけた。だがその返事の代わりに場面が変った。俺はいつもの病室に横たわっていた。そこでは俺は一言も口を利けずに体を動かすこともなく寝ていた。
 口には酸素を送り込む為の器具が当てがわれ、心拍の曲線がデスプレイに映し出されていた。医師や看護師たちがまわりを取り囲んでいる。
「海野さん、聞こえますか? 私が見えていますか」
 若い医師が俺に話かける。だが返事なんかできる筈がない。
「心拍数が落ちて来ました。そのときが来たようです」
 ああ、俺はいよいよ死ぬらしい。だが最後を見守る家族はいない。
「国家特命公務員で、この人ほど社会に貢献した組織員はいないというのに、見送る人が1人もいないなんてなんて淋しい最期なんだろう」
 年配の婦長の声が聞こえた。俺はいよいよ……

 


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