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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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優子の反撃-3

苛立った浅見が優子の片足を掴んだ時、優子は自由になった片足で浅見の顔を思いっきり足蹴にした。それが鼻の頭に見事にヒットし、浅見はもんどりを打ってベッドの下にひっくり返った。

更に優子は自分の手を掴んでいる啓太の手に、思いっきり噛みついた。

「ぎゃああああ、いてええええ」

血の浮き出た手を押さえながら、啓太がのたうち回った。優子は口の中に広がる鉄の味を、その啓太目がけてペッと吐きだした。

優子にベッドの下に蹴り落とされた浅見が、憤怒の表情で起きあがった。

「てめえ―!調子に乗りやがって――!」

鼻血をだらだらと流しながら迫る浅見の顔を見た優子は、これまで以上に身の縮む思いがした。しかしそれでも勇気を振り絞り、優子は自分が感じるままに動いた。

優子は自分を掴もうとする浅見の手を俊敏に掻い潜り、直前に目に止めていた物を掴んで走りだした。

(星司さん)

星司の幻影が消える瞬間、辛うじて耳に届いた言葉は、今ではハッキリと優子の脳裏に響いていた。

『負けるな…』

本当に聞こえたかどうかもわからない。その幻聴の如き星司の言葉は、抵抗を続ける内に、優子の中でどんどん明瞭になっていった。

『負けるな!』

脳裏に木霊するその言葉は勇気を与え、優子の中に益々気力が漲ってきた。

「てめえ、逃げれると思ってんのか!捕まえてぶっ殺してやる!」

「こいつ噛みつきやがって、もう容赦はしねえ!」

優子の抵抗は所詮は一時の事だ。鍵の掛ったスタジオから逃げられる訳はない。そう高をくくった2人は、犯す側の恐怖を植え付けるように、のっしのっしと優子に迫った。

身の竦むような恐ろしい声は極力無視をした。優子は走りながら、逃げる直前に手にした物、『浅見のズボン』のポケット周辺を弄った。その優子の指に硬質な物が触れる感触が伝わった。

(あった…)

優子は直ぐ様ポケットに手を入れ、触れた物を引っ張り出した。

「あっ、あいつ鍵を!」

優子が手にした物を見て浅見は驚いた。鍵を手にした優子は既にスタジオの扉に辿り付いていた。浅見はビデオの映り具合も貫禄も忘れて、勃起したままの肉棒を揺らしながら駈けだした。

スタジオの扉に辿り付いた優子は、空かさず鍵穴に向かってその鍵を差し込んだ。

(お願い、開いて)

優子のその願いが通じた。カチャッと音を立てて鍵は開いた。

ホッとする間もない、直ぐ後ろに浅見の気配を感じた優子は、直ぐ様鍵を抜き取り、細く開けたドアからスルリと抜け出る、直ぐにその扉を締めた。

優子がここに連れ込まれる時に見ていたが、表から開けた時も、中から締めた時も浅見は同じ鍵を使っていた。

優子は今抜いたばかりの鍵を、今度は外の鍵穴に突っ込み、それを力任せに捻った。

カチャッ…

優子にとってこの音は生涯忘れる事の出来ない音となった。

「ふうっ…」

優子が安堵の吐息を漏らしたその瞬間、扉の取っ手が激しくガチャガチャと激しく揺れた。

「てめえ、開けろ!ぶっ殺すぞ!」

バンバンと扉を叩きながら浅見が怒鳴った。

「バカヤロー、誰が開けるかよ!くせえチンポしやがって、てめえのチンポはそれだけで犯罪だ!覚悟しとけよ!今から警察に駆け込んで、くせえチンポを訴えてやるからな!」

優子が裸足の足で、扉をガンガン蹴ってやり返した。


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