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花の咲くころ
【女性向け 官能小説】

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お風呂から出てリビングに「出ましたぁ」と言いに行こうとしたら
リビングは真っ暗だった。
ふぅと小さなため息を1つついて
自分の部屋に行ったら、お布団がない!

え?

と思って駿ちゃんの部屋のドアをそっと開けた。
「駿ちゃん。お風呂でましたよ。あの。あたしのお布団なんだけど」
ベッドに腰かけていた駿ちゃんは
「おいで。一緒に寝よう」
と腕を伸ばした。
「あの。でも」
なんだか機嫌の悪い駿ちゃんは珍しい。
駿ちゃんはめったに機嫌なんか悪くしない。

「おいで。俺のベッド大きいから2人寝ても平気だろ?」
「うん」

そっと近づいて行くと
「花。髪は?」と聞かれた。
「あ。これから乾かす」
「持っておいで。俺が乾かしてやる」
そういって、あたしにドライヤーを持って来させ
膝の下に座らせて優しく髪を乾かしてくれた。

パラパラと髪をすくい上げて
温かい風とともに駿ちゃんの手が首の素肌をかすめる。

「はい。乾いたよ」
「あ。ありがと」

エロチックな手の動きに、髪を乾かしてもらっているだけなのに
昨日のように抱きしめてほしくて
首筋が震えた。

「花。今日は楽しかった?」
「うん」
「ごはんは美味しかった?」
「うん。駿ちゃんもちゃんと食べた?」
「あぁ。野口と、山田と半田も今日も出社してたから。
みんなで食べてきたよ」
「そっか・・・」

半田さんも一緒だったんだね。
心が鷲掴みにされたようにギュッと痛くなる。

もう、これ以上その話を聞きたくなくて
ごろんと駿ちゃんに背を向けた。

「花」

そんなあたしを後ろからぎゅっと抱きしめながら
駿ちゃんは耳元に口を寄せた。



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