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夜羽球の会
【調教 官能小説】

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入会前-2

◆◆◆

 夜羽球の会との二度目の飲み会。そこに出席したタツミは、詳しい活動内容を聞かされて愕然とし、そして入会を決意した。
 一週間前に行われたその飲み会の日のことを、タツミは歩きながら思い返す。


 居酒屋に集まった先輩は昨日見た顔ばかりであったが、そこにはあの女の先輩だけがいなかった。昨日と同じように個室に入り、酒と食べ物を注文する。注文したものが届くと、どうやら会長らしき先輩が、居酒屋の喧騒の中にもかかわらず小声で話をしはじめた。
「まず先に訊きたいんだけどさ、昨日いた女の人は覚えているかな」
 タツミは小さくうなずいた。
「そう。じゃあさ……」
 個室なのだからここには他の客などはいないのだが、先輩はあたりをキョロキョロと見回した。そして少し間を置くと、さらに小さな声になって話を再開した。
「あの女の先輩、かわいかったと思うかい?」

 タツミはそれが活動内容とどう関係があるのだと思ったが、とりあえず返事をすることにした。昨日の女の人を思い出す。
 髪は黒色で、後ろで束ねていたはずだ。顔は、細かなところまでは覚えていないが、印象はよく覚えている。かわいかったのだ。目がクリクリとしていたのが良かったような気がする。それから肌の色が印象的で、雪のような非常に白い肌をしていた。背は、そこまで高くはないが、まぁ女子ならば普通くらいだっただろうか。少し身長の低めなタツミからすれば、そこが少し嬉しい。
 そういうことをタツミは話した。初対面の女の人を品定めするのは品性に欠けると思ったが、大学生なのだからこれくらいは普通だろうと思ったので、恥じらうこともなく平然としていた。

「だよね、かわいいよね。うんうん、いい趣味をしているよ」
「どうも……」
 すると、先輩は続けてその人のことを訊いてきた。
「それじゃあ、もし、もしね……」
 また声が小さくなる。タツミはさらに距離を縮めて先輩の話を聞いた。
「もし、あの先輩を言いなりにしてエッチなことができるとしたら、したいかい?」

 さすがにこれには驚いた。ほとんど初対面の新入生にするような話ではないだろう。いくら先輩としては身内のことだとはいえ、品定めのみならずその人の下ネタにまで話が及ぶのはマナー違反に思われた。
 タツミは驚いたような、少し困ったような表情でそれを指摘しようとしたが、他の先輩が先回りをして口を挟んできた。
「いやいや、これがウチの活動内容に関わってくるんだって」
 タツミは虚を突かれて閉口した。何を言っているのか分からなかった。だが、それと同時にふとタツミは思い出した。そういえば、大学にはヤリサーという性行為を目的としたサークルがあるとかいう話を聞いたことがある。もしかして、この人たちはそれなのか。そういう考えをしていると、会長らしき先輩がまた口を開いた。

「じゃあ単刀直入に言おう。実はね、ウチはバドミントンの強さで序列をつけていて、序列が下の者は上の者に対して、学年を問わず絶対服従になっているんだ」
「は?」
「それでね、今現在、ウチのサークルの序列最下位が、昨日いたあの女の先輩なんだよ。あの人は今年で3年生なんだけどね、最下位だから2年生の会員にも敬語だし、絶対服従なんだ」
 頭が混乱した。言っている言葉は理解できるが、その内容があまりにも現実味に欠けて納得ができない。
「有り体に言えば、それをいいことにね、僕たちはあの人にセクハラをしているんだ」
 タツミはずっとしかめっ面をして先輩を睨むように見ていた。ここから先は、もう何が何なのかよく分からず、タツミはとりあえず最後まで話を聞いてみることにした。

 結局、このサークルはその女の先輩にセクハラをすることが目的なようである。そのためにバドミントンの強さで序列を決め、女の先輩が逆らえないような状況にしているのだ。だからこそ活動は夜中かつ不定期なのだとか。
 タツミが入会勧誘を受けたのは、経験者の実力があれば、ほぼ必ずその女の人より上の序列に行けるからだそうだ。ただし、男どうしの間では学年順に序列がつくように八百長をしているらしく、事実上、その女の人だけを言いなりにするためのシステムである。

 ハッキリ言って荒唐無稽であり、まるで信じられない。実はサークルぐるみで新入生をからかう悪質な会なのかという疑いがほぼ頭を占めていた。しかし、その疑いは先輩に見せられた画像によって一転した。
 先輩が見せてきた携帯には、昨日の女の先輩の痴態が数限りなく写真に収められていた。しかも、会員全員がそれぞれ写真を持っている。一気に信憑性が増してきた。
 タツミは色々な思いで頭がグルグル回っており、全身から嫌な汗が出ていた。

「まぁ、突然こんなことを言われたらそりゃあ混乱するし、疑いたくもなるよね。だから、とりあえず来週の夜の23時に体育館においでよ。そこであの人と試合をして勝ってみればいい。そうすれば、この話が本当だったと分かるさ。僕たちはキミを仲間に迎えたいだけだからね、勝ってみて様子を見て、もし入会したいと思うならば歓迎するよ」




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