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good communication
【若奥さん 官能小説】

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立ち込める暗雲-1

「さて、と。あとはパパの書斎だけか」


そう言ってリビングの掃除機がけを終えた私は、コンセントからプラグを抜いて、長いコードを無造作にまとめる。


洗濯物はベランダに干したし、掃除機は家中かけたし、トイレとお風呂の掃除も終わった。


ただいま10時をちょっと過ぎた頃。


輝くんの書斎を掃除したら、コーヒータイムにしようっと。


瑠璃と買い物に行った時に買ったチョコレートの存在を頭に浮かべながら、私は2階一番奥にある、輝くんの書斎のドアレバーに手をかけた。


「あーあ……」


ドアを開けた瞬間になだれ込んでくる、密室にこもる熱気。


それだけでもため息ものだったけど、私がため息を吐いたのは、目に飛び込んできた光景だった。


6畳程の小さな書斎に散らばる文庫本や、雑誌や、新聞。


さらには瑠璃の写真を整理しようとして、引っ張り出してきたアルバムが、広げたまま床に放置されていた。


さらにデスクの上には、音楽鑑賞が趣味の輝くんの焼いたCDの山や、散らばるペンや、パラパラ落ちた消しゴムカスが。


大雑把なO型、なんてよく聞くけど、輝くんはまさに典型的O型だ。


「こりゃ、大変だ……」


そんな泥棒に入られたみたいなこの部屋に苦笑いをしつつ、腕捲りをして、まずは窓を開けた。










書斎みたいなパーソナルスペースでの片付けは、私が物を捨てる判断はしてはいけない。


輝くんに掃除を頼まれた際に、「取り敢えず掃除機かけるだけでいいから」と言われたので、余計なことはしない方が吉だ。


「とは言っても、こんなんじゃ掃除機かけらんないよね」


私は、やや呆れ気味にため息をついてから、床に散乱していたアルバムをまず閉じた。









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