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LADY GUN
【推理 推理小説】

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さよなら大好きな人…-8

 後日、弟達の面倒を見てくれている加藤綾美が面会に訪れた。助けて貰った感謝を伝えた後、麗子の事を伝えてくれた。
 若菜の逮捕後、麗子は何も言わなかったが、たくさんの電話があったそうだ。それは若菜を讃え励ます電話だけではなかったという。誹謗中傷の電話もかなりあったとの事だ。
 しかし麗子はただただ申し訳ありませんと返答していたと言う。どんなに酷い言葉を浴びせられても、ただただ申し訳ありませんとしか答えなかったと言う。
 「電話を切った後、必ず言ってたわ。私だけ分かってあげればいいって。本当に強いお母様だって思ったわ。」
若菜の涙を誘う。自分はどれだけ母を苦しめたのかを思うと自分が憎くなる。
 「でもね、上原さんを理解してるのはお母様だけじゃないのよ?太一君も、華ちゃんも、そして私も。そして警察の仲間、あなたに救われた人…、みんなあなたの事を理解してる。あなたは一人じゃないんだからね?」
 「色んな人が私は一人じゃないって言ってくれます。でも、その度に物凄く嬉しくなります。ありがとうございます。お体もまだ本調子ではないのに弟達の面倒を見てくれて感謝してます。」
 「正直まだ後遺症があるけど、でもこんな状態の人間に自分の子供を預けるなんて普通できないよね?でもあなたのお母様は私を信じてくれた。だから私はその恩に答えなきゃいけないの。だからいつまでもラリッてる訳にはいかないのよ。」 
 「ありがとう、綾美さん。」
 「こちらこそ。太一君と華ちゃんは私がしっかり面倒見るから心配しないでね。」
 「はい。」
太一と華も若菜に会いたがっていたが、刑務所の中の若菜の姿を見せたくなかった麗子の意志を引き継ぐ綾美。将来は経験を活かして麻薬のリハビリを手伝う仕事をするために勉強中だ。
 麗子への想いと感謝は忘れた時はない。今では早く出所して麗子の墓参りをすることが最後に出来る親孝行だと思えるようになった。 
 そしていよいよ若菜が出所する日の朝を迎えたのであった。


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