投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

好き…だぁーい好きなんだからっ!の最初へ 好き…だぁーい好きなんだからっ! 89 好き…だぁーい好きなんだからっ! 91 好き…だぁーい好きなんだからっ!の最後へ

僕だって!-10

「もう!馬鹿杏!何で話してくれなかったのよっ!」
「ゴメン、心配掛けたくなくて…」

休み時間の教室、机を叩き怒り心頭の菫。私がストーカーに遭っている事を、絆が菫にも
バラしたようで…。

「ったくアンタは、暗い顔で何でも無い何て言われる方が心配よ」
「ゴメン…」
「いいよ謝んなくても、逆の立場だったらきっと同じ事してるだろうし」
「ゴメン…」
「んもぅー♪」

両者紐解くように笑う、あぁ何でもっと前に打ち明けなかったんだろう…

そんなやり取りをしていると、先生が教室にやって来た、あれまだ次の授業まで時間は
 ある筈。そう思ってると私の方へどんどん近寄っていき。

「織原、お前にお客さんだって、校門の方まで来いって…」

お客?まさかストーカー!?いやいやそんな奴なら先生が通したりしない筈。
 半信半疑でありつつも、菫に軽く声を掛け、言われた通り教室を出て。

心配な眼差しで私の背中を見つめる菫。
顔を上げ、その様子を見る絆。


グラウンドには野球をする男子や、バトミントンをする女子で賑わっている。
 私は一人、例の校門を目指すと。ソコに見知らぬ女性が立っていた。

彼女が例のお客か?、身長は170cmくらいあり、スラッとした体型に、ビシッと
 レディースーツを着こなしているモデルさんみたいな人。

「あの、どちら様でしょうか?」
「貴女が織原 杏さんね?」

恐る恐る訪ね、自身に満ちた声をあげる彼女。自己紹介と名刺を手渡してくる。

「初めまして、私、井吹舞と申します」
「はぁ……、探偵?」

受け取った名刺には彼女の名前と、横に井吹舞探偵事務所と明記されていて。
 全く身に覚えが無い、探偵何て雇ってないし。突然予想だにしない人物、探偵って
 言ったらアニメやドラマだけの存在だと思ってたのに。

目の前の人が本物の探偵と認識するのは難儀な事で、兎に角訳が解らない、誰か私を
 からかってるのか?

私は、濁った顔で彼女の顔を見上げ。

「あの…」
「そりゃー戸惑うわよね、突然知らない人と、増して普段の日常生活であまり関わらない
人種に出会うんだもの」

こちらの心境を解っているような口ぶり、表情も何だかさっきより軽くなり。

「本物、ですか?」
「えぇ、そりゃー貴女からしたら疑って当然だけど」
「…私に何か御用ですか?」

疑いの念が深まる一方、ダガ幸い女の人って事で、ストーカー若しくは不審者と思い
 恐怖心を抱くような事はなかった。

「織原サン、今貴女は私を必要としている筈」
「へっ?」

目を尖らせ、妙な事を言い出す。私が彼女をいや探偵を必要としている?どういう事?

「最近貴女の周りで変わった事が起きていない?」

無かったら来ないでしょ、通回りな言い草、変わった事、今思い浮かぶのは……!?
 頭に稲妻が走るように、ハッと理解する、まさか。
 その表情を見逃さなかった彼女は、私が状況をようやく理解したと感じ。

「改めて探偵の井吹です、今回貴女がストーカーに付きまとわれて苦しんでいると聞き
 ご挨拶に参りました。」
「……」

開いた口が塞がらない、突然の救世主の存在。
 私は授業がある事を告げ、向こうもそれを解っていて、放課後近くの喫茶店で会う約束
をした。


流石、とでも関心すべきか、私が今置かれている状況を事細やかに口にし。
 時より他に被害は受けてないか、犯人に何か言われてないか…、など訪ねてきて。

その自信に満ち溢れた口調からは本物の探偵と認めざるを得ない。
 客も5、6人程度の落ちついた喫茶店、取りあえずのコーヒーがテーブルに二つ並べて
ある。

実力は解った、でも私はこの人を信用出来るのか。
 そんな疑惑もすぐに解消される事に。

「何でこういう事するのかって感じよね、気味が悪いし、ホント最低よね」
「えぇ、増して親がこんな事で被害を受けるんでないかと思うと」
「よねー、親が幾ら大丈夫って胸張ってても、やっぱりねー、私も家に母と息子が居る
ケド何時私が探偵ってだけで悪い奴に被害が及ぶんでないかって時々不安に感じるの」

私と同じ女性目線で、心底可哀想と思い、友達と会話をしているような軽いノリに
 真っ直ぐな眼差し、この人は心を許していい人と警戒心を全て取り外した。

それから今後、ストーカー撃退の為、どう行動をしていくのかを話し合った。







好き…だぁーい好きなんだからっ!の最初へ 好き…だぁーい好きなんだからっ! 89 好き…だぁーい好きなんだからっ! 91 好き…だぁーい好きなんだからっ!の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前