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淫霊記
【ホラー 官能小説】

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見えざる凌辱者-6

跳びはねて階段を上がる鬼どもの姿が透明になる。
ギィ、キギィ、という喚き声は聞こえてくる。
宿主のそばから離れた鬼は姿を隠して敵に近づく。
階段を上がる途中で、吐き気を感じて立ち止まると込み上げてきたものを吐いた。
それは血だった。
レイが男の結界に侵入しただけでなく、ダメージを与えていたのである。
結界をわざと残したのは知らずに入ってきた者を巻き込まないようにするためだろうと男は気づいた。
生臭く錆びた鉄のような嫌な味が口の中に残る。
「メスガキが、許さねぇぞ」
男がゆっくりと階段を上っていく。
上のフロアに男が到着したときには鬼どもがフロアーの中央で姿を現して群がっていた。
どうやら鬼どもが法術師を犯そうと、五匹で床に押さえ込んでいるらしい。
男はレイの悔しがる顔を見てやろうと、歪んだ笑みを浮かべて鬼に近づいた。
制服が鬼たちによってボロボロに切り裂かれていた。
腕や脚は鬼に咬まれて傷ついていた。
一匹の鬼は髪をつかんで、眉をしかめて目を閉じているレイにぺニスをしゃぶらせていた。
左右のブラジャーをめくり上げて露出した乳房に二匹の鬼がしゃぶりついていた。
残り二匹の鬼が左右の両脚にしがみつき、太腿の咬み傷を舐めまわしていた。
男はすぐにおかしいことに気づいた。
しゃぶらせているなら感じるはずの快感がない。
(どういうことだ?)
柱の裏側でレイは鬼たちを自分の身代わりに群がらせて集めて、男が罠にかかるのを待っていた。
男の上着の背中に、走ってきたレイが思いっきり呪符を叩きつけて逃げていく。
「待てっ!」
男が背中に呪符をつけたことに気づかず追いかける。
ニセモノのレイの口を犯していた鬼がぺニスから精液がわりに紫色の粘液を放った。
二匹の乳房にむしゃぶりついていた鬼がぺニスをニセモノのレイの乳房になすりつけて粘液を放った。
太腿を舐めまわしていた鬼たちはニセモノのレイの膣穴と肛門を犯そうとしていた。
「お前ら、それはニセモノだ!」
レイを捕まえさせようと、男が走るのをやめて叫ぶ。
一匹の鬼が男の命令に気づいた。
ニセモノのレイの恥丘にぺニスをあてがっていた鬼はそのまま挿入して腰にしがみついて腰を激しく動かしていた。
ギギッ、ギィ、ギッ、キギギッ、ギィーッ!
四匹の鬼は夢中でニセモノのレイを凌辱した。
「うわっ、やめろっ!」
一匹の鬼が男に飛びついてきた。
レイは立ち止まり、振り返る。
レイは鬼を引き剥がそうとあがいている男に言った。
「残念、一匹だけか」
男が鬼の顔面を殴りつけると、男がふらついた。
「乱暴しない方がいいよ。鬼が傷つけばケガするから」
男の背後から殴られて一度は離れた鬼が男の脚にしがみついてきてきた。男が転倒する。
鬼は肛門を犯そうと、男のズボンに咬みついてじゃまな布地を破こうとした。
ズボンと下着の破れ目から男の尻の谷間に鬼がぺニスを突き入れてくる。這いつくばって立ち上がろうとした男が、背中をのけ反らせて苦悶の声を上げた。
同時に鬼のぺニスが裂けた肛門の狭い穴を往復するたびに、男には快感が走った。
男の肛門を犯している鬼のぺニスからの感覚が流れ込み、痛みと快感を男は犯されながら感じた。
肛門の中に鬼の粘液が放たれると男はオーガズムに呻いて、全身を痙攣させた。
「ははっ、自分のお尻でいっちゃうなんてかなり変態だね」
レイはそう言うと呪文を詠唱した。
ニセモノのレイはひらひらとした呪符にもどった。
四匹の鬼は周囲を見渡すと男を見つけて飛びかかる。
「……うぅ、やめろぉ、むぐっ、うぅ」
男の口に鬼のぺニスが入れられた。
レイは男を残して立ち去った。

「ただいま」
レイが夕方には寺に帰ってきた。
「ジュリア、呪符を二枚使っちゃった」
レイは身代わりの式神で鬼を集め、男に呪符をつけて襲わせたことを話した。
「そんなことしてると、ハゲができるわよ」
ジュリアがあきれて言った。
式神を作るために髪を根元から五本抜いて、呪符につける。
ジュリアの作る呪符は高性能だ。
「恵美さんは?」
「お風呂で沐浴中よ」
「発作は起きてないよね?」
「ええ」
レイは恵美にキスして念の力を息吹きとして入れた時に、呪った相手がどうやって恵美に術をかけているか視えていた。
自分が男とセックスした感覚を転送している。
また恵美と自分の弟がセックスしているのを、呪術で離れた場所にいて感じていたのだ。
感覚の転送。
鬼と宿主も同じように意識を共感する。やがて鬼に宿主のほうが意識を支配されてしまう。
このままでは由紀に恵美の意識は消されて廃人にされてしまう。
今は由紀の意識を遮断しているが、呪いを解かなければ恵美の意識は破壊されてしまう。
レイが考えているのは、由紀に恵美のほうからも意識を送り込む方法だった。
ジュリアは男が二人の女をもてあそんでいることが許せない。
「人を裁くことなかれ……また人を罪に定めることなかれ」
「愛する人たちよ。自分で復讐してはならぬ。それは聖書にこう書かれている。"『復讐はわたしのすることである。わたしが報復する』と主は言われる"と。もしあなたの敵が飢えたなら、彼に食べさせなさい。渇いたなら、飲ませなさい。……善をもって悪に打ち勝ちなさい」
ジュリアは寺で暮らすシスターである。懺悔するべきは二人の女たちではなく男だとレイに言う。
恵美と由紀の共通の願いは、一人の男の愛がほしいということ。それが今回の呪いを解く最大の障害だと、二人の意見は一致している。
女を凌辱したいだけの鬼使いよりも、女どうしの確執や執念のほうが、海の底のように暗く深い。
「恵美さんが彼氏を諦めたら呪いは解ける?」
「レイ、それはちがうわ」
ジュリアは由紀が恵美を愛していて、弟に命令してつきあわせていると言った。
ジュリアの霊視能力はレイよりも強い。


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