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ちちろむし、恋の道行
【歴史物 官能小説】

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その2 ちちろのむしと別れけり-9

「ああっ、お、おまえ様……」

ブチュ、ズルルッ……陰唇を吸い込み、ズチュッ、グニュルッ……膣口に舌をねじ込む。トロリと溢れる愛液 は以前の草の香りではなく、女そのもののいやらしい味がした。まさにお鈴は人間になったのだ。淫猥な香りが鼻腔に立ちのぼり、それが 瑚琳坊の魔羅の張りに追い打ちをかけた。再びお鈴に握られた五寸五分の怒張はみみず腫れをグッと盛り上げ、彼女はうっとりと目を細め ながら竿の根元から先端へと熱心に舌を這わせていった。

 お互いの口での奉仕が続いたが、お鈴のほうが先に音を上げて魔羅から唇を離した。しかし、やおら起き上 がると、何と自分から瑚琳坊の上に膝立ちでまたがったではないか。彼を見下ろす黒目がちの瞳が淫靡な光を宿している。彼女はコクリと 喉を鳴らすと、そそり立つ肉棒をグイッとつかみ、腰を落として秘裂に亀頭の先端をあてがった。

「おい、お鈴……」

瑚琳坊は思いもかけぬお鈴の行動に魔羅が疼いた。亀頭が柔らかな湿った花弁にくるまれると、驚いたことに 彼の会陰に射精のきざしが早くも走った。急いで肛門に力を込め、噴射を阻止する瑚琳坊。こんなことは初めてだった。楚々たる風情を裏 切る淫らな行為が、かくも扇情的だとは……。彼はあらためてお鈴の魅力に惚れ直した。そんな彼をよそに、お鈴は目を細めて、張りつめ る男根を蜜壺でゆっくりと咀嚼している。

「ああ、あ……、あ……、あっ」

彼女の顔に切なさが浮かび、深く挿入したまま腰を前後に揺すり立てると、美しい顔が愉悦の色に輝いた。瑚 琳坊が下から肉茎を突き上げると、お鈴は「うっ」と呻いて身体を硬くした。が、男根を呑み込んだまましゃがみ直すと、自ら腰を振っ た。この体勢は初めて経験するお鈴だったが、彼女の腰は巧みに動き、あたかも馬を乗りこなすがごとく瑚琳坊の下腹部の上で達者に上下 に揺り動いた。変幻自在に魔羅を締め付ける彼女の攻めに、瑚琳坊はまたも精を放ちそうになった。が、そこは練達の彼である。微妙に下 腹に力を込め、秘肉の妙なる味わいを楽しみながらも暴発の一線は越えなかった。

 そうこうしているうちにお鈴の感度がどんどん高まり、紅潮したひたいに玉の汗が光る頃になると、喘ぎ声 の艶が濃くなり、腹の底からこみ上げるような感じになっていった。そして瑚琳坊が怒濤の突き上げを繰り出すと、

「あぐっ、ぐぐぐぅーーーーっ!」

可憐な顔を喜悦にゆがめ、絶頂の坂道を奔馬の勢いで駆けのぼった。そうしてついに今まで発したことのない 「いく、いく」という言葉を連発し始め、瑚琳坊の亀頭がこれでもかと子宮(こつぼ)を打ちすえると、

「いぐっ!」

ひと声吠えて金縛りにあったかのように全身を硬直させた。これまでにない凄絶な気のやりようであった。膣 のあちこちが輪となって強烈に魔羅を締め付け、収縮と弛緩が断続的に繰り返された。その動きに、瑚琳坊の魔羅の先からドロリとした滴 が顔を覗かせた。上になっていたお鈴の身体の力がふと緩み、仰向けに倒れたはずみに女陰からズポッと魔羅が外れる。亀頭が膣口でグ リッとこすられ、その刺激が射精の引き金となった。精液が放物線を描いてこちらに迸り、彼は慌てて手で顔を覆ったが、自分の子種は胸 はおろか光る頭にまで降り注いだ。

 瑚琳坊は苦笑しながら精液を枕紙で拭い取り、お鈴を見やると、彼女は倒れ込みながらも薄目をあけてこち らを見、小さな声で肩を揺すって笑っていた。

「何だお鈴、おまえが急に倒れたりするからだぜ」

瑚琳坊が腕を伸ばして抱き寄せると、お鈴は柔らかくしなだれかかり、男の胸に唇を押しつけた。


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