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LADY GUN
【推理 推理小説】

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復讐-1

 若菜は探偵の資料に目を通すと再びいなぎ市へ向かう。消えた瀬川涼子がまだいなぎ市にいる可能性が捨てきれないからだ。それに湯島武史の証言と矢沢の証言の照合もしておきたいと思った。石山は残し、嶋田からは反対されたが押し切る形で一人で向かった。
 いなぎ市中央警察署に到着すると矢沢に元妻の果歩が面会に来ている事を聞いた。若菜は面会室に行ってみた。すると一方的に矢沢を罵る果歩の姿があった。
 「本当に馬鹿なんだから!!若い女に唆されて麻薬にまで手をつけるだなんて!!」
 「お、俺は使ってないんだけど…」
 「一緒よ!人様にそんなもん使わせるだなんてもっと酷いわ!!」
 「ごめん…」
 「浮気なんかして…!私がどれだけ恥をかいたか知ってる!?」
 「申し訳ない…」
 「申し訳ないじゃないわよ!!」
あまりの怒りっぷりに矢沢が可哀想になってしまう。
 「まぁまぁ落ちついて…」
若菜が宥めようとするが火がついた果歩は止まらない。
 「あ〜あ、いいわねぇ。捕まってもこんな美人で若い刑事さんとイチャイチャできるんだからね!」
 (わ、私まで巻き込まないで…)
勘弁して欲しかった。面倒はごめんだ。そんな若菜をチラッと見てから溜め息をつく果歩。
 「で、釈放された後、誰もあんたなんか待ってる女なんていないでしょ?刑事さんだってあんたなんかと関わり持ちたい訳ないし…」
 (だから巻き込まないで…)
本当に嫌だった。
 「…あの浮気した女だってあんたなんか麻薬を売る道具にすぎない。本当に馬鹿で寂しい男ね。だからしょうがないからせめて私が待っててあげなきゃ可哀想よね…。」 
 「えっ…?」
意外な言葉に驚く矢沢。
 「でももう俺達は…。」
離婚届に判まで押した矢沢。そんな矢沢に果歩はバッグから離婚届を取り出した。
 「出てきたら私が風俗でも何でもやって養ってあげるわよ。だからしっかり罪を償ってちょうだい。恥かいた分、いやそれ以上、あんたの残りの人生を私がレイプしてやるからね!」
そう言って離婚届を破り捨てた。果歩は離婚届を提出せずに持っていたのだ。
 「か、果歩…」
涙を浮かべる矢沢。
 「一夜で大事な人を奪われるような小さな愛を今まであなたに捧げてきたつもりはないわ。馬鹿…。」
果歩も涙目になる。レイプという言葉を使ったのは褒められる事ではないが、でも若菜は果歩の女気に感動した。
 (愛かぁ…。)
犯罪を犯した者の中にも存在する尊い愛に若菜は胸が熱くなった。


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