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冥土の土産
【SF 官能小説】

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ナオミ-2

ちょうどそのときもう一組の俺たちが友田さんと別れて村の会館の方に歩いて行ったところだ。
 「私がどうして西郷さんと? あの人は単身赴任で奥さんも子どももいるのに」
 俺は説明してやった。要するにお前が好きだった里島組織員がユミとできていたことを知り、自棄になって西郷組織員に走ったんだということを。
 説明しているうちにナオミは声を立ててよがった。そして体を震わせて逝った。俺は更に肉棒を出してからナオミをしゃがませた。そしてその口に肉棒を突っ込んだ。
 舐めろ。あのとき自棄になっていたお前は最初は俺とやろうとしたんだ。その為に2度俺を誘った。
 一度目は村のレクレーションで海の家に行ったとき、岩陰で俺に水着姿を見せたときだ。組織員は普通慎ましい水着にするもんだが、お前はハイレグを着て来た。そけい部が見える奴だ。だから陰毛もはみ出ないように剃っていたんだろう。俺はむらむらっと来たが一生懸命に耐えたよ。
 その後、お前はろくに水遊びもせずにすぐに着替えた。俺を挑発する目的を達したからな。
 そして2度目が今回のスケスケTシャツだ。だからもうしらばくれなくても良い。俺はそういうとナオミの頭を掴んで前後に揺すった。
 ナオミは素直に俺の肉棒を口をすぼませてしゃぶった。舌が生き物のように俺の亀頭部を嘗め回す。快感が戦慄のように背骨をよじ登り俺の体は震えた。そして射精をした。
 「うぐっ……ごほ……海野さん、私が誘っていたということをいつから気づいていたんですか?」
 口の端から精液を零しながらナオミは俺の顔を見上げた。俺は言った。大分後からだ。
堅物の俺はその当時お前が誘っていたということに気づかなかった。あのことがあった後で俺はようやく気づいたんだ。
「あのことってなんですか? あっ、何をしてるんですか? こんな表で立ったままで」
 誰も俺たちの姿を見ていないよ。俺たちは時間の流れの主流から外れているから、歴史にも残らないのさ。時の流れの袋小路でこうやってセックスしているだけだ。さあ、挿入するぞ。俺はナオミの片足を抱え上げて、開かせた股に肉棒を突っ立てた。
「だ……だからあのことって何ですか。そうだ。私はどんな処分を受けたんですか? 教えて下さ……ああぁぁ……入った……いや」
 嫌でも何でも、俺はナオミを犯す。お前は故郷から離れた遠い所に追いやられた。そこでは何から何までお前にとっては不慣れな環境でお前はすっかり精神的に参ってしっまったんだ。
「私は……ぁぁ……ひとりぼっち……あぁ……だったんですね」
 そうだ。お前は弧独だった。西郷は別方向に飛ばされたけれどお前の支えになろうと連絡を取ろうとさえしなかった。俺は腰を入れてナオミを突き立てた。
 もうナオミは言葉を喋ることはできなくなって、しゃくり上げるような声を連発した。そして……俺は言った。お前はその寂しい場所で病気になり、たった一人で死んで行ったんだ。22才の若さだった。それを聞いてか聞かないでか、ナオミは声を上げて首を上下に振った。そしてぐったりした。
「……そうだったんですか。……私はこの後2年後に死ぬんですね」
  そうだ。だが、お前はその場面に居合わせなくてもいいのだ。俺はこれからすぐ消える。俺は再び射精した。ドックンドックンとナオミの膣の中に溢れるほどたくさん。
「私をここに置き去りにして未来に戻るのですか? ただ私とセックスするためにだけここに戻って来たのですか、あなたは?」
 はっきり言うとその通りだ。だがお前を置き去りにする訳ではない。俺がここから消えると同時にお前も消えてしまう。つまりこんなことは初めからなかったことだからだ。
 すると俺の肉棒を体内に飲み込んだままナオミの姿はふーっとフェイドアウトして行った。
「さようなら海野さん、さよ……」
 それがナオミの最期の言葉だった。
 俺はこうやって自分の過去に戻って忘れ物を捜して歩いてるんだ。これでそのうちの一個は無事に回収したことになる。

 


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