投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

未亡人遅咲き淫花
【熟女/人妻 官能小説】

未亡人遅咲き淫花の最初へ 未亡人遅咲き淫花 7 未亡人遅咲き淫花 9 未亡人遅咲き淫花の最後へ

未亡人遅咲き淫花-8

(6)


 目を開けるとレースのカーテンを通して日差しが差し込んでいる。部屋にはエアコンの風が優しく流れているから快適だが、外はすでに猛暑であろう。時計を見ると十時を回っている。
(よく寝た……)
だが頭はまだ重い。もうひと寝入りしたい気分だが、空腹も感じていた。
 階下で物音が聴こえるのは久美子が朝食でも作っているのだろうか。

 昨夜は久美子と絡み続けていた。途中、休憩して酒を飲んだりしたものの、昼間から夜中までぶっ続けだった気がする。何も食べていない。途切れることなく酒とセックスに酔っていた。
(腹が減るわけだ……)
何度射精したのか、はっきり憶えていない。もうこれで終わりだとぐったりしているともぞもぞと久美子が動き出し、咥えてきた。生温かい舌が触れ、えもいわれぬ圧迫とともに吸い込まれる感触に尽き果てたはずの漲りが兆し始めた。彼女を導こうと燃えながら逆に翻弄された感があった。

(そうだ、久美子は自ら上になった……)
記憶の最後を辿れば、久美子は上に跨って跳ねていた。
(初体験だったのだろう?……)
結合も知らなかったのではないか。……それだけになおさら昂奮したのだ。

 片倉が頭をもたげたのは人の声が聞こえた気がしたからだった。
耳を澄ませてみた。……慌てて飛び起きた。
(誰かいる)
久美子と何か喋っている。彼女の笑い声の合間に男の声が混じった。
(誰だ?)
三日間は一人きりだと言ったはずだ。
とにかく、全裸である。着替えなければならない。
(下着がない)
風呂場だ。下着だけではない。服はすべて階下に置いたままだ。
(どうしたらいいんだ……)
途方に暮れていると足音が聴こえてきた。片倉はベッドにもぐりこんで眠った振りをした。

「片倉さん。起きました?」
久美子だったのでとりあえずほっとした。
「ああ、つい寝過してしまって」
「いいんですよ。ここにお洋服とお着替え置いときます。下着は洗濯しましたので新しいもの使ってください」
「ありがとう……」
(助かった……)
だが、状況がまだ把握できない。

「あの、誰かいらしてるんですか?」
「ええ、父がさっき着きました」
「え?」
「お昼近くと思ってたらずいぶん早くて」
片倉は混乱し始めていた。
「たしか、三日間お一人ではなかったですか?」
「いいえ。今日は親族が集まってお昼から夜までパーティです。着替えたら下にいらして。父がお話したいと言ってますから」
「はあ……」
(話したい……)

(どうしたらいいのか……)
思考が思うように働かない。
(まずいな……)
そのことだけははっきりしていた。
娘一人の別荘に男が泊った。いい訳は利かないだろう。自分に話があるという。そのことにちがいない。迷っても逃げ出すことは不可能だった。
 片倉は重い感覚に沈みながら階下に下りていった。


「片倉くんですね」
階段の中途でおそるおそる覗きこむと、初老のがっしりした男が笑顔を見せて言った。
「真崎です」
「はい。初めまして」
「久美子の父です」
白髪で日に焼けたエネルギッシュな顔立ちと厚い胸板は格闘技でもやっていたような迫力があった。

「久美子から聞いていましたよ」
「……」
(聞いていた?……)
ふたたび混乱が始まった。

「久美子、昨夜は二人で確認したんだね?」
「はい……」
(確認?……)

「片倉くん。わがままな娘だが、よろしく頼むよ」
「はあ……」
「一晩娘を預けたんだ。わかっているよね」
一瞬眼差しに鋭さが光った。
(預けた……ゆうべのことを知っている?……)

「娘が君を気に入ってね。いろいろ調べさせてもらった。君は二男だから養子になってもご両親の了解は得られるだろうね。近々お会いすることになるだろうが」
「それは……」
唐突で頭の整理がつかない。

「ピアノの調律師さんとうかがった。メンタルなお仕事だが、結婚するからにはわが社の業務に加わってもらうことになる。よろしいね?」
有無を言わせぬややドスの利いた言い方であった。
とっさに返す言葉もなく、片倉は黙っていた。
「いいんだね?」
「はい……」
久美子を見ると横顔の頬が微笑んでいた。

「今日は親族が揃うから、君を紹介する。今夜も泊っていけるだろう?」
「片倉さんもお仕事があるわ。ねえ、片倉さん」
「こんな大事な日だ。何とかするよなあ、片倉くん」
振り向いた真崎氏の笑顔の底に霧のようなぼやけた色合いを感じた。気のせいだっただろうか。

「久美子、彼はお前にぴったりだったか?」
「うん。素敵な人」
「親の前でのろけるな」
豪快に笑った。
「片倉くん。娘を大事にしてやってくれ。こいつは男運がないというか、聞いていると思うが、三度目の結婚だ。三度目の正直、幸せを期待してるよ」
(三度目……)
結婚という言葉が遠い響きに聞こえた。
久美子が背を向けてキッチンに入っていった。

 大金持ちの令嬢を妻にする。夢のような幸運であるはずなのに、片倉の想いに眩い輝きはなかった。

(音は狂っている……音律は乱れている……)
調律をしたつもりが、音はズレている。いや、久美子の調律だったのだろうか。


「久美子、早く孫が見たいな」
「もう、パパったら」
久美子と真崎氏の笑い声は不思議なハーモニーを醸し出していた。
 

 
 


未亡人遅咲き淫花の最初へ 未亡人遅咲き淫花 7 未亡人遅咲き淫花 9 未亡人遅咲き淫花の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前