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LOVE AFFAIR
【アイドル/芸能人 官能小説】

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6.幽囚-6

 ノートパソコンはサスペンドのままにしていたらしい。画面が復帰して映し出されたのは、スマホで何度も見せられたアップロード画面だった。
「くっ……」
 やはり、それを見せられると。悠花は二の句が継げなかった。
「コレを取り返すために来たんでしょ、悠花ちゃん? ほら、サングラスとる、とらない、なぁんてさ、下らないことで画像が公開されちゃう、みたいなことになってもいいのかなぁ〜?」
「……。……そうね、別にサングラスなんて、どうでもいいし」
 悠花は意識的に肩が上下に動くほどの深い溜息をついてみせた後、顔を下げてサングラスを抜き取った。そして、髪が落ちてきたのを、頭を揺すって払いのけながら顔を上げる。サングラスの色味がなくなった視界にハッキリ映る男の全裸姿。怯んではいけない、と、仕事で培った目線作りを総動員して、冷ややかな瞳を男へ向けた。
「どう? これでいいんでしょ?」
 しかし、顔を向けた瞬間、男の表情がトロけて、握ってはいても扱いていないのに、男茎の先からピュッと透明の微沫が飛んで畳の上に落ちると、
(ひっ……)
 その表情が崩されそうになる。
(ああ、最高だ……。悠花ちゃん。……夢、みたいだ。もうすぐ願いが全部叶う……もう死んだっていいっ)
 村本にとtれは、若い女、しかも男性からだけでなく同性からも憧れられるほどの最高レベルの女と、同じ部屋にいることすら、現実なのかと疑わしくなるほどだった。
『今年ブレイク間違いなし。ファッション誌で大活躍中、女のコに大人気のハルカちゃんを、男どももタップリと堪能せよ!』
 初グラビアの青年誌の謳い文句。
 サテン地のナイトウェア姿、シーツに包まるように横たえた肢体。
 打って変わって、ニットとフレアスカートのフェミニンなスタイルで、窓枠に腰掛けてこちらに向けた颯爽とした笑顔。
 その瀬尾悠花が、目の前に立っているのだ……グラビアでは全く見せなかった冷ややかな瞳を向けて。
「く、くく……。は、悠花ちゃん。じゃ、覚悟はいい?」
 来た――
 悠花は腕組みを崩さず、
「は? 何のこと?」
 普段、こんなにも相手を小馬鹿にしたような口調は絶対しない。だが、この男と対峙していると、演技ではなく、傲岸な態度が自然と出てくる。
「あはっ……、トボけちゃってぇ。トイレで宣言してくれたじゃん?」
「言わされただけだし」
 すると村本は再び、ノートPCの画面を悠花の方に向け、
「サングラス取ったみたいに、素直になってくれればいいんだけど。ちゃんと、この画像は悠花ちゃんに渡してあげるから」
 と、また、アップロード画面を見せた。
「……ホントにちゃんと渡すつもりなの? 信用できない」
 悠花はショートジャケットの肘に、組んだ腕のネイルの先を立て、更に瞳を細めて睨みつけた。
「ふふっ。約束するからっ」
「なら先に――」
 先に画像を消去してからにして、と言おうとすると、村本がそれを妨げ、
「俺といっぱいエッチしてくれたらね。思う存分、気が済むまで」
 と被せてきた。
 電話で言われた時も悪寒が走ったが、直接、しかも全裸姿で言われると、感じる嫌悪はとてつもなかった。
「……、じゃ、どうせ大したことないだろうし、とっととしたら?」
 ここで黙りこんだりしたら、相手を喜ばせるだけだ。こんなヤツに、どんな女だって思われたってかまうものか。
「あはっ。……じゃ、じゃぁ、お互い、いーっぱい、気持よくなろうねえ」
「バーカ」
 即答で口を衝いた。「あんたなんかとして、気持ちいいなんて、あるわけないじゃん」


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