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LOVE AFFAIR
【アイドル/芸能人 官能小説】

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6.幽囚-7

 だが、村本にとっては、悠花の態度は望むところだった。
 村本は計画を立てる中、今日の悠花の出方を、いくつもシミュレーションした。そして、今日ここに来るまでに観察してきた悠花の応対は、数々のパターンの中で、頭の中で描いてきた瀬尾悠花に最も近しいものだった。村本は常々、自慰行為の様々な妄想の中ですら、清楚で大人しい、脅迫されて追い詰められると悄然と隷従してしまう、そんな悠花像は抱いていなかった。追い込み、煽り、挑発すればするほど、村本はもちろん、自分自身の内面とも闘いながら気丈に歯向かってくる、気高い女神を思い描いてきた。
(こんなに、理想通りなんて……くくっ、やりがいがあるな)
 悠花の気が強ければ強いほど、恥辱を与える悦びは大きい。世間でチヤホヤされるほどのルックスを持ち、自我が強く、自分のような醜男を心のどこかで蔑んでいるような女に辱めを与える……与えたい。これまで鬱屈した人生を送ってきた村本は、その願望をずっと培ってきた。
「じゃ……、悠花ちゃん。さっそく始めようかぁ? ほら、俺がタクシーの中で言ったこと憶えてるぅ?」
「……っ!」
 スマホで見せられた文章は、もちろんすぐに悠花の頭に浮かんできた。「……さぁ、何だっけ? ウザいくらい長かったから、よく読まなかった」
「あはっ、じゃ、改めて言うとぉ、俺ってパンチラフェチなんだよね。特に悠花ちゃんみたいな超絶美人、超絶美脚のコとか、たまんなくなっちゃう」
 改めて語り始めた村本の様子に、内心は慄然となりながら、
「へぇ……、で?」
 と、冷たい口調で返す。
「きょ、今日悠花ちゃんが履いてきたパンティ、会った時からずぅ〜っと、どんなのか気になってたんだよねぇ。すっごく見たくって」
 男の、自分の下着に対する執着は、タクシーの中で、しかもズボンを履いたままて、射精したことだけでも充分知らしめられていた。
「別に。普通のだけど。言っとくけど、別に見られても何とも思わないからね? この仕事してたら、慣れてるから」
 仕事で水着になったことはある。男性もいる大勢のスタッフの前だったが、全く平気だった。ランジェリーモデルの仕事はしたことはないが、これからはあるかもしれない。見られることをいちいち気にしていたら、この仕事はできない。
 ……それがたとえこんな……、変態的な欲望を持った男の前だって、平気な筈だ。
 大したことではないと、男に告げると同時に、自分にも言い聞かせていた。
「じゃ、遠慮無く、か、確認させてもらうよ。……えーっと、見せるほうがいい? 見られるほうがいい?」
「は?」
「だからぁ、悠花ちゃんが見せるほうが好きか、それとも見られるほうが好きか、って話。ふふっ、選ばせてあげるよ」
「どっちもイヤなんだけど?」
「あはっ......」村本は男茎を握り、ゆっくりと下から上にしごきあげ、亀頭でギュッと力を入れてから手を離すと、指の間に粘液の橋を繋いでみせた。「どっちか悠花ちゃんが選んでよぉ......」
 そんな醜い様を見せられても、ギリギリ表情だけは崩さなかった。挑発してきている、ということは察知していたから、心の準備もできており、目を逸らさずにいれた。
 悠花の気持ちとしてはもちろん、「見せたくない」と言いたいところだが、「どちらかを選べ」と言われると、すぐさま頭の中に答えが浮かんでいだ。


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