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少女剣客琴音
【歴史物 官能小説】

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朴念仁-1

一方離れでは無角翁が松蔵に詰め寄っている。
「お前はいったい今まで何をしていたのじゃ。」
無角に言われて松蔵は心外という顔をした。
「何をと申されましても、師匠。拙者は言われた通り琴音殿に奥義を教え、見事玄武に勝たせることができたではありませんか。」
「そのことではない。あれはしたか。教えた通り内腿の筋を解す技を」
「はい、もちろん。全身の筋を伸ばすのも、骨や関節を緩めるのもすべて教えられた通りに行いました。」
「で、相手の反応はどうであった?」
「はあ、時には気持ちよく眠ってしまうこともあったくらいで。誠に先生の教えて下さった按摩術や整体術は効き目が抜群でございます」
「このばか者! 相手が眠ってしまったのなら、なぜその隙に夫婦の契りを結んでしまわなかったのだ」
「はあ? そんなことをしては道に外れるのでは?」
「道に外れようと何だろうと。できてしまえばこっちのものなのだ。あの按摩や整体は体の回復にも役立つが、それ以上に男女の情が深まるように工夫してお前に授けたのだ。」
「そうだったのですか。」
「この朴念仁め。さあ、さっさと髭を剃ったら、そのむさくるしい頭をなんとかするぞ。
着るものも今着ているボロは燃やしてしまえ。新しいものを誂えてある。」
松蔵は目を廻した。
「待って下さい。先生、拙者はこれから諸国を廻って浪々の身になる積りなのです。」
「何を馬鹿なことを言っている。お前は多田家を潰す気なのか。指南役を受けない積りか。」
「はい、指南役になれば琴音殿と同じ筑島藩内に留まることになり、それには辛いものがあります。ところで、何故多田家が潰れるのです」
「説明している暇はない。お前が朴念仁だから、婿になれないのだ。良いか。婿になって指南役も引き受けろ。
さもなくば破門じゃ。お前が諸国を廻るのではなくて、破門の回状が諸国を廻ることになるぞ」
「はあ? そ……それはどういう……」


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