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恋心あれば水心
【女性向け 官能小説】

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-3


「な・・・に?なんなの?」
「希望ちゃんは心配しなくていいよ。気分直して飲み直しに行こうか?」

優しく笑いながら言う山田さんの隙をみて
紙をカバンにしまい込む前に私は山田さんからその紙を奪い取った。

「のぞみちゃ・・見ない方が・・・・」

それは。
それは村上が企画部の先輩と交わした社内メールのコピーだった。

内容は私が常務の娘だと知っていた。
そして出世するために手っ取り早いのは
私と結婚することだと、バカにしたように書いてあった。

私が常務の娘だと知っていた?
どこで知ったのかなんて追求する気もないけど。

父に近づくため
私を利用しようとしていたのは
山田さんじゃなくて、村上だった。

私は自分の人を見る目のなさに呆れた。
ショックを隠しきれない私の頭をポンッと叩き

「いろんな男がいる。気にするな」

そういうと私をぎゅっと抱きしめてくれた。
私も両手を山田さんの背中にまわしてギュッとした。

一連の騒ぎでいつの間にかお店中の注目を集めてしまった私たちが
抱きあったもんだから今までシーンとしていたお店はざわついて

「山田さん、注目浴びちゃってる・・・」

と小声で囁けば

「実は俺も恥ずかしい・・・」

と私の頭に顔を隠した。
ちょっぴり、山田さんがかわいく思えた。









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