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恋心あれば水心
【女性向け 官能小説】

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「で?」

定時を過ぎたころ、一息ついてスマホからメールを送っている俺に
同僚の野口が話しかけてきた。
希望ちゃんに会いたくない宣言をされて俺は毎日メールだけは送ろうと思って
忘れないように同じような時間に毎日メールした。

希望ちゃんが俺のことを忘れないように。

「なんでこの時間に毎日メールしてんだよ?」
「希望ちゃんに愛のメール」
「何が愛のメールだよ。会うのを拒まれてる癖に」
「言うなよ。言葉に出すと俺でも傷つく」
「よく言うよ。会社のエントランスであれだけハデに拒否られたくせに♪」
「黙ってて・・・」
「メールはいいのか?」
「メールは拒否られなかった。最低でも1日3通送ろうかと思ってるんだけど
一方通行だから、いささか話題がなくなってきた」

「3通?」
「ん」
「毎日?」
「ん」

「はっ!俺の彼女の時よりお前レアじゃん!」
「・・・・」
「経営管理のツートップと噂のクールな山田さんがぁ?
女に会いたくないと言われ、1日3通のメールだぁ?
お前、ストーカーの1歩手前じゃん?」
「うるせ」

何を書こうとしてたのか忘れちゃったじゃねーかよ・・・・
話題を考えるのも大変なんだぞ。

「俺、希望ちゃんのこと本気なんだよ・・・・」
「見切り発車で社内報に載っけた男が言うかね?
俺が女だったらお前みたいな男やだ」

そう言いながらニヤニヤ笑うこいつを嫌いじゃない。

「俺だってお前なんかいやだ。彼女の気がしれない」

俺も負けずにニヤニヤして言い返す。

送信・・・っと。
このメールにも返事はないのだろうか。

希望ちゃん。俺、柄にもなく寂しいんですけど。





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