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恋心あれば水心
【女性向け 官能小説】

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-6

次の日、泣きはらした目を隠すためにコンタクトではなくメガネ出勤をした私に
同僚の久美が仕事のフリをして社内メールをしてきた

「何!その目!」

メガネでは隠しきれない腫れぼったさに言い訳なんかない。

「泣ける映画を見た」
「ふ〜ん。今日、話を聞こうか?」
「いいの?定時で上がれる?」
「任せて!」

そんな会話の日の定時に二人でエントランスから出ようとしたところで
後ろから声をかけられた。

「希望」

山田さん・・・・・

「この後、ちょっと時間あるかな?ごめん入江さん。希望ゆずって?」

物みたいな言い方にムッときた。
私の都合も考えないで。

「急に何?もしかして・・・久美との社内メール見たの?サイテー。
山田さんは・・・・山田さんは半田さんとごはんに行けばいいでしょう?」
「半田?」

あぁ。と思い当たったのか
「昨日半田と食べに行ったって知ってるの?」
と聞いてきた。

今まで何週間も私の事ほっといて。
ううん。何週間じゃない。
本当は毎日数えてた。
2週間と4日。私の事ほっといたのに。
なんで半田さんと食べに行った翌日に私の事を誘うの?

「半田とは同期ってだけだ。やましいことはない」
「同期だったらいいわけ?
じゃぁ!私だって同期の男性社員と二人でごはん食べに行っても
山田さんは何とも思わないのね?」

「同期の男って誰?具体的に候補がいるわけ?」
「村上・・・」

「村上って・・・企画部の村上?」
「そうだよ」
「村上はだめ」

自分の行動を棚に上げて
私は同期の男と二人でごはんに行ってはダメだという。

「もう。当分私の中で考えがまとまるまで話しかけないで!
社内でも近くによらないで!」

「希望」

「触らないで!ほっといて!当分会いたくない!」

子供っぽいって分かってる。
売り言葉に買い言葉だったって分かってる。

でも。自分を抑えられなくて。
私はそう言い捨てると、その場を走り去った。




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