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恋心あれば水心
【女性向け 官能小説】

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「わ!山田さんだ!」
「カッコいい!」

皆の興味が私から山田さんに移ったのを面白がるように
視線を一身に集め私の方に歩いてきた。
悔しいけど、カッコいい。

「希望、ごめんな。でももう隠す必要ないから」

私は隠したいんだっつーの・・・

「山田さん。なんで秘密だったんですか?」
「うん。俺は希望との付き合いはいい加減なものじゃなくて
もちろん将来のことまで考えてるんだ」

はぁ?

「まずはお世話になってる部長に報告したかった。
皆のうわさで部長の耳に入るのは避けたかったんだ」

私も初耳なんですけど?

「俺も部長も最新のプロジェクトに付きっきりで
プライベートの報告をする場合じゃなくて。
それで待ってもらってたんだ」
「あ。分かります。プライベートも大事にしたいけど、
仕事が優先になっちゃう時ってありますよね」

数人の男子がうなづいた。
はい。男子を味方につけた〜
私もそんなシナリオ初めて聞いた〜

「でももう部長に報告したから」

この男の言うことはどこまで信じていいのやら。これからも信用できないな。

「でも何で社内報に?」
「広報の後輩にアイディアを頼まれたんだけど、
この記事の事は希望にも内緒にしてたんだ」
「そうなの?希望。知らなかったの?」
「うん・・・まぁ」

「俺が、希望は俺のだぞって社内に言いふらしたくて。
あんなことしちゃったんだけど」
「きゃぁ」

はい。女子を味方に付けた〜

「そしたら希望が恥ずかしいって怒ってるんだ」

そう言いながら私の頭を引きよせてこめかみにキスをした。

「希望、贅沢だよ!!!」
「こんなに山田さんに愛されてるじゃん!」

そーかぁ?

「すげぇ。山田主任、勇気ある」

男子の言う言葉に私も激しく同意!
良く恥ずかしげもなく・・・・

「勇気なんかいらないよ。希望を愛してるから」
「きゃぁぁぁぁぁ」

私は女子の悲鳴を聞かないようにぬるくなったビールを飲み干した。

「不味い・・・」

何よ。私の同期と話に来たわけ?
なんとなくほっとかれているようで悔しくなる。



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