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鳳学院の秘密
【学園物 官能小説】

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第5章 教育-28

 玩具の様に扱われる瀬里奈にやきもきしながらも、あたしは事態の深刻さを痛感していた。これだけのことをされても、瀬里奈は、九条の行動を異常と認識できないんだ。肩を抱かれ、あたしの前に引っ張ってこられても、マネキンのように立ちつくす彼女に日頃の精悍さはなく、どこかだらしない、夢見るような笑みを浮かべている。九条の言を信じるなら、彼の言葉に従うことで、快楽の夢の中をたゆたっているのだろう。
 「せっかくだから、面白いものを見せてやろう。さぁ、この女をよく見てろよ」
 顎を持ち上げ、瀬里奈の顔を良く見えるようにすると、イブを誘惑する蛇の如く、危険な言葉を耳元で囁く。
 「いいか、お前は今から男を誘惑するいやらしい女になるんだ。頭の中はセックスのことでいっぱいで、男を悦ばせることならどんなことでもやりたがる、発情した犬の様に男と交わることばかり考えるんだ」
 その言葉が終わらぬうちに、見る見る瀬里奈の顔はいやらしく歪んでいった。眼が妖しく潤み、その奥から狂ったような好色な輝きが現れ、半開きになった口から舌が覗き、はぁはぁと息を荒げる。そして欲情に支配された視線の先には、不敵に笑う九条の姿があった。
 「‥いや、‥駄目よ、瀬里奈、駄目ぇっ!」
 あたしの叫びが終わらぬうちに、瀬里奈は九条の首へ手を回し、重なるように椅子へと倒れ込んだ。二人分の体重を受け止めた椅子は横向きになりながら後退し、あたしは絡み合った二人の姿を側面から見ることになった。
 「‥ねぇ」
 艶を帯びた声にはぞっとする響きが含まれていた。瀬里奈は今まで一度も聞いたことのない声色で、九条の瞳を覗き込むよう、妖しく顔を近づける。と思うや、二人の唇は重なり合い、クチュクチュとお互いを貪りあう音が聞こえてくる。白い身体は男の胸にすり寄せられ、腰の上では、重そうなヒップがもぞもぞ蠢めいている。
 存分に貪りあい、ようやく顔を放した瀬里奈は,息を荒げ興奮した様子だった。彼女がシャツのボタンを外し、胸元をはだけていくと、喜色を浮かべた九条はその様子を楽しげに眺め、ベルトを外すのもされるがままだった。やがて白い指がスラックスの中から男性の象徴を取り出すと、あたしは嫌悪と恐怖の感情に、顔が引きつるのを覚える。男性器を見るのは本日二度目だが、さっきより距離が近いせいか、怒張した肉棒は大きくて恐ろしい、とても危険なものに思えた。だが瀬里奈はうっとりしたようにそれを眺めると、男の子なら誰しもむしゃぶりつきたくなるようなバストを掲げて見せる。
 「うふふ、これで楽しませてあ・げ・る」
 開いた股の間に跪いて、瀬里奈は両手ですくい上げるように胸を揉み始める。短く喘ぎながらその行為を繰り返すと、見る見る九条の顔が悦びに満ちていき、ついには呻きだした。
 「おほぅ、な、なかなか凄いじゃないか!」
 「はぁ、はぁん‥どう、気持ちいい?」
 「お前、これ初めてじゃないだろ、こんなのどこで覚えたんだ」
 「あっ、あんっ、あんっ、哲人君が悦ぶから‥、恥ずか‥しいけど、はぁ‥はぁ‥」


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