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ピエロの恋
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ピエロの恋-1

「きょう新しい転入生が来ました。といっても事情があって本人はここに来れません。
彼のアバターロボットが来ました」
ある日突然担任の教師がそう言った。そして戸口に向かって手招きをした。
すると何か妙な物が入って来た。機械のようなものだ。
四角い箱の上に丸いボールが乗っていて、箱の下には小さなタイヤが4本ついている。
そのタイヤがクルクル廻って前に進む。
さらにボールのようなものの正面には簡単な目と口がついていて、それで顔の表情を表すらしい。
その証拠に正面に立って俺たちを見たときに、ニッコリ笑って見せた。(^O^)
「初めまして。僕の名前はピエロです。本名は事情があって言えません。秘密です。
でもそれ以外は皆さんと仲良く勉強したいと思いますので、宜しくお願いします」
変った奴が来たなと思った。声は男の子の声だがアニメの声優みたいな感じだ。
「あのう。その声は本物ですか?」
誰かの質問に球体の中の顔は左右に振られた。
「1000分の1秒差で本物の声をこの声に直しています。
本物の声は秘密なので、合成音声を使っています」(・−・)
つまりピエロというのは全く正体不明の輩なのだ。
顔も声も名前もわからない。

俺は奴の転入第1日目に話しかけた。
「おい、一緒に飯を食うか?」
「め……飯って……どうやって?」
「お前きっとどこかの室内でコンピューターかなんかの前に座ってこれを操っているんだろう?
簡単なことだ。昼飯を目の前に置いて俺と一緒に食えば良いのさ」
すると球体の顔はパッと明るくなった。 (^O^)
「そうか、じゃあちょっと待っててくれよ。今ランチを持って来る」
それから俺は奴と飯を食いながら話し合った。
「だいたいどうしてピエロって名前にしたんだ?」

 


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