投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

鳳学院の秘密
【学園物 官能小説】

鳳学院の秘密の最初へ 鳳学院の秘密 43 鳳学院の秘密 45 鳳学院の秘密の最後へ

第3章 調査-20

 閃いたのはその時でした。いっそ、この件を桜井先生に相談してみてはどうでしょう。
 この組織が一過性のものでないと考える点では沙羅さんに同意しますが、私はこの売春組織の黒幕は、教職員にいると考えています。生徒に協力者がいる可能性は否定しませんが、長らく学院に在職している者こそ疑うべきでしょう。
 ただ、もしこの推測が当たっているとすれば、黒幕を突き止めるのに、教職員の方の協力は欠かせません。男性教員の方はどなたも信用なりませんが、桜井先生なら信頼に値する人物です。先生は教育に対して高邁な理想を信じる方ですから、たとえ身内であっても不正に対して毅然と立ち向かってくれるでしょう。
 もっとも先生を大変なスキャンダルに巻き込んでしまうことになりますが、どの道、事が公になれば知らぬ顔ができる話でもありません。それに上手く先生の協力が得られ、秘密のスタジオも見つけられれば、沙羅さん達に先んじて黒幕を突き止めることができるかもしれません。そうなれば二人をいらぬ危険に巻き込まなくても済みます。
 瀬里奈さんには恨まれるかもしれませんが、私にとって何より大事なのは、大切な友人が無事であること。興味深そうに画面を眺める先生に、躊躇いつつも声をかけます。
 「‥あの、先生」
 穏やかな表情を向ける先生に、思い切って打ち明ける決心をしました。
 時計塔の鐘が鳴り響き、夜の六時を告げますが、私の話は始まったばかりでした。


鳳学院の秘密の最初へ 鳳学院の秘密 43 鳳学院の秘密 45 鳳学院の秘密の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前