投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

forget-me-not
【女性向け 官能小説】

forget-me-notの最初へ forget-me-not 38 forget-me-not 40 forget-me-notの最後へ

気の置けない存在-8

一頻り笑ってそれが落ち着くと、陽介の視線に気付いた。


目を細めて微笑むその表情が、愛しい人を見るような優しいものだったからか、自分の頬が火照るのがわかる。


「な、何……?」


それに動揺したのか、少しどもる自分がなんとも恥ずかしい。


対して陽介は、そんなあたしを意にも介さずに、ニッと笑った。


「くるみちゃん、俺と友達になんねぇ?」


「え?」


「そ。くるみちゃんの恋愛に依存しないとことか気に入っちゃった。インドアなとこも俺と同じだし。多分俺ら似たもん同士だよ。だからきっと気が合うと思うんだ。だから友達になろうよ」


「ちょ、ちょっと待ってよ! 急にそんなこと言われたって困るわよ!」


咄嗟に浮かぶ、スグルの笑顔。


いくらなんでも、これはスグルに申し訳なさ過ぎるでしょ!


必死で首を横に振って、陽介の申し出を断る意思を見せる。


なのに、陽介は涼しい顔してラーメンを一口啜ってから、もう一度あたしの顔を覗き込んだ。


「なんで困るの? 友達だよ? 別に付き合ってって頼んでるわけじゃねえし」


「だ、だってあたし……彼氏が……」


覗き込んだその顔にまた変に照れてしまって、陽介をまともに見られない。


ほとんど食べていないラーメンが、静かに湯気を立てているだけ。


決して相手がイケメンだからって理由だけじゃない。


こうやって直球でパーソナルスペースに踏み込んで来る人間がはじめてだったから、戸惑っているんだ。




――それに、男の子との友情って成立しないってわかっているから。




いじめられていた中学、高校時代。もちろんあたしに女の子の友達なんて皆無で、いつも一人ぼっちだった。


そんな時、いじめられているあたしに普通に話しかけてくれたのは、女の子ではなく男の子だった。


内容はテレビの話とか、部活の話とか、そんな他愛のないものだったけれど。


それでも、友達のいないあたしにとって、話しかけてくれるだけで、休み時間や昼休みに一緒に過ごしてくれるだけで、随分救われたものだ。


くだらないバカな話で笑ったり、寝るまでメールしたり、性別は違っても友情は成立するもんだって思ってた。







forget-me-notの最初へ forget-me-not 38 forget-me-not 40 forget-me-notの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前