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forget-me-not
【女性向け 官能小説】

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気の置けない存在-7

「くるみちゃんもそうなの?」


陽介の問いにあたしは静かに頭を振った。


「だってあたしは張り合うような友達なんていないもん。それに張り合えるようなネタもないし」


「ネタ?」


「うん、旅行行ったりとか、イベントの時にどれだけお金かけてくれたかとか、そういう自慢のネタ。また、基本的にあたしはインドアだから彼氏とお出かけすら面倒だからそういうネタはいらないんだ。一人だと気楽なんだけど……」


友達がいなかったあたしには、人間関係の築き方ってのが今一つピンとこない。


それでも、こんな自分を必要としてくれる恋人の存在はありがたいし、あたしも大事にしたいとは思っている。


でも、一人でいることに慣れ過ぎたあたしには、彼氏とずっと一緒に行動することがちょっと苦手だったりもする所もある。


だから、あたしには社会人で忙しいスグルと付き合うくらいでちょうどいいのだけれども。


チラリと陽介の買ったプレゼントの紙袋を見やる。


これが普通のカップルのあり方なんだろうな。


クリスマスデートのプランをしっかり立てて、高いプレゼントを買う陽介を見ると、自分の味気ない願望が間違ったような気になってきた。


なのに、陽介はなんだかとっても嬉しそうにあたしの顔を覗き込んできた。


「くるみちゃん、いいね」


「は?」


「なんつーか女の余裕っての感じるよ。女の子って割りと恋愛にのめり込む娘が多いだろ? だからくるみちゃんみたいな娘はすげえ新鮮。カッコいい」


思いもよらない誉め言葉に面食らったあたしは、ポカンと口を開けたまま固まってしまった。


友達がいないなんて恥ずかしいとか、男の子しか庇ってくれないなんて、身体でも使ってんじゃないとか、そんな風に陰口を叩かれていたあたしにとって、陽介の言葉はにわかに信じがたいものだった。


だけど、距離感がわからないから、彼氏にすら甘えることにも抵抗があったあたしを、肯定してくれた陽介の言葉。


むず痒いような照れ臭さに、あたしは口元が少し緩むのがわかった。


……コイツ、いい奴かも。


「彼氏に依存しないなんて偉いなあ。俺が今まで付き合ってきた女の子って、みんな束縛すごかったから、女の子ってそういう娘が多いって思ってんだ」


「そりゃ陽介くんが信用されてないからでしょ? だって現にカノジョに内緒で他の女とご飯食べてるし」


「ひでえ、俺下心なんてないのに。そもそも超一途なのに」


下唇を突き出していじけた顔になった陽介。


そんな様子が可笑しくて、いつの間にかあたしは大口開けて笑っていた。



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