投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

forget-me-not
【女性向け 官能小説】

forget-me-notの最初へ forget-me-not 34 forget-me-not 36 forget-me-notの最後へ

気の置けない存在-4

ニンニクの香り立つ器を見ながら、苦笑いになる。


我ながら色気がないなあ、と。


彼氏のスグルには、クリスマスは行きたいとこはないのかと打診はされたけど、これといって思い浮かばなかった。


だって、クリスマスなんて、どこに行っても混むだろうし、疲れにいくだけなら家でのんびり過ごしたい。


以前、スグルにそんなことを伝えたら、「くるみは欲がないなあ」って呆れられたっけ。


ワガママ過ぎるのも付き合いきれないけど、ワガママを言わな過ぎるのも面白味に欠けるらしいから。


陽介はプレゼント選びも熱心だったし、わざわざお店を予約したりするタイプなら、あたしみたいな面白味のない女は結構ヒいちゃうだろうな、と思いながらチャーシューをかじっていると、


「あ、俺と同じだ」


と、言う答えが返ってきた。


同じ……?


キョトンとして彼を見れば、シシシと顔をクシャリと歪めたイタズラっぽい笑み。


「いやね、俺もホントはイベント重視タイプじゃないの。クリスマスに外に出歩いたって、人混みで疲れるだけじゃん?」


「だって……アンタ、カノジョのためにあんなに一生懸命プレゼント選んでたじゃない。わざわざ見ず知らずのあたしに頭を下げてまで」


「ああ、確かにめっちゃ真剣にプレゼント探してたよ。そりゃ、もちろんカノジョに喜んでもらいたいのは大前提なんだけど……」


そこまで言うと、陽介は目を少し泳がせてから気まずそうに口を開いた。


「実はさあ、カノジョがイベントをすげえ大事にするタイプなんだよね。雑誌の特集であるようなお店で食事したり、夜景の綺麗なホテルに泊まったりとか、そういうのを望むタイプでさ。……正直、カノジョのことは好きだけど、そういうとこは疲れるっつうか、根が面倒くさがりだから余計にしんどいんだよな」


ハハハと小さく笑った彼は、チョロリと赤い舌を出してラーメンをすすり始めた。







forget-me-notの最初へ forget-me-not 34 forget-me-not 36 forget-me-notの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前