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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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垣間見える過去-15

「そんな! 久留米さんだってまだ若いじゃないですか。

それにあたし、久留米さんがズバッと言ってくれなかったら、現状を理解できないままあの関係を続けていたと思うし、相談にのってもらってよかったです!

決めました、あたしもう身体だけの関係は止めて、頑張って諦めます」


正直、塁とやり直したい気持ちと、久留米さんに対するよくわからない感情が整理できないでいたけれど、自分のすべきことは少しだけ見えてきたような気はした。


このまま塁を好きでいたって報われないのは、自分でもよくわかってる。


だったら次にする恋は、ぜひともあたしも相手も幸せになれるような恋になれば、と闘志を湧かす。


そしてチラッと久留米さんを見る。


こんなに一途な人に想われたら、さぞかし幸せなんだろうな、なんて変な願望は隠しながらも。


そんなあたしの視線に気付いたのか、彼はあたしを見てからなんでかプッと吹き出すと、再び


「頑張れ」


とまたしても他人事のように励ましてくれた。





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