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Twin's Story 外伝「Hot Chocolate Time 2」〜男の矜持タイム
【OL/お姉さん 官能小説】

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実戦実習-2

 夏輝が実戦実習期間中、マンツーマンで指導監督を担当する指導員は秋月遼(あきづきりょう)という巡査長だった。25歳。細身だが筋肉質で、日焼けした顔が笑うと、白い歯がやけに目立つ警察官だった。

 日本茶の入った湯飲みを二つ手に持ち、秋月が狭い給湯室にやって来た。「日向巡査、」
 シンクの横の台で円筒形の銀色のウォータージャグに麦茶のティバッグと水を注ぎ入れていた夏輝は、水道の栓を閉めて身体を秋月に向けた。「秋月巡査長」
 秋月は手に持った湯飲みの一つを彼女の目の前に置いて、手に残った湯飲みの茶をすすった。「すっかり慣れたみたいですね、ここの交番勤務」
 夏輝は湯飲みに手を掛けた。
「はい。っていうか、前に職場実習で勤めたのもこの交番なので、変に緊張することもありませんし……」
「そうか、それもそうですね」
「巡査長って、夏でも熱い緑茶がお好きなんですね」
「朝はこの一杯がないと、本調子にならないんですよ」
 秋月の白い歯がこぼれた。

「パトロール、8時からでしたよね?」
「はい。準備しててくださいね。3番パトで出かけますから」
「わかりました。秋月巡査長」


 駐車場で待っていた夏輝が腕時計に目をやった時、秋月がやって来た。
「今日も朝から暑いですねー」秋月は眩しい空を仰ぎながら、うんざりしたように言って、ペットボトルのお茶を夏輝に渡した。
「あ、すみません」
「警察官がパトロール中に熱中症になった、なんて洒落になりませんからね」
「確かに……そうですね」

 秋月は夏輝の顔を見た。「元気ないですね、最近」
「え?」夏輝は顔を上げた。
「表情が少し……」
「疲れてるのかな……。あ、でも気を遣わないでください。あたしの健康管理が悪いんです」
 秋月はちょっとだけ首をかしげて優しく言った。「時には弱音を吐くのも大事なことですよ、日向巡査」
「えっ?」夏輝は思わず秋月の顔を見た。

 その巡査長は穏やかな笑顔を夏輝に向けていた。
 その表情が夏輝には一瞬恋人修平のそれにだぶって見えた。


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