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傍らに咲く花
【同性愛♀ 官能小説】

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深夜の来訪者-2








「今日、この近くで合コンがあったんですう。あたしは気乗りしなかったんですけど、まあ、人数合わせだったんで仕方なく」


松本はそう言って、持参してきた缶チューハイをプシュッと開けたと同時に、俺と小夜にもそれぞれ缶チューハイを寄越してきた。


仕方なしにプシュッとプルタブを開けて、一口飲み込むけど、甘ったるい桃の香りに思わず眉根に皺が寄る。


いや、苦い顔になるのは、この深夜の来訪者に対しての感情が露わになってしまったからかもしれないな。


それほど俺は、目の前で愛くるしい笑顔で一生懸命小夜に話しかけている美少女を警戒していた。


ちっちゃくて、細くて、可愛くて。


そんな完璧な容姿の女が俺達の間に割り込んできたこの状況。


普通ならば女の小夜の方が、この女を警戒するはずなのだ……が。


「いい感じの人はいなかったの?」


小夜が松本の隣で梅味の缶チューハイをゴクリと飲んでから、そう訊ねると、


「残念ながらいなかったんですぅ。ああ、小夜さんが男だったらよかったのに」


と、松本は小夜の肩にちょこんともたれかかった。


……そう、この可愛らしい女は、俺のカノジョの小夜になぜか惚れているのである。




俺、小夜、松本の3人は、元々スウィングというカフェでのアルバイト仲間だった。


まあ、現在は俺だけがスウィングを離れているわけだが、とにかく当時の俺達は単なるバイトの同僚に過ぎなかった。


当初は松本が俺を好きで、俺が小夜を好きという一方通行の片想いの関係を繰り広げていた俺達。



……それがどうしてこうなったんだか。




「小夜さあん、あーんして下さい!」


「あ、ありがと……でも、自分で食べれるから……」


甲斐甲斐しく小夜の口にポッキーを運ぼうとする松本。


そんな二人を冷めた目で見つめながら好きでもない甘い酒をチビチビ飲む俺。


テーブルの上に広がった菓子や缶チューハイの山を見ては、一つため息を吐いた。








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