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傍らに咲く花
【同性愛♀ 官能小説】

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深夜の来訪者-1

さあ今日こそは、この煌々とした明かりの元で、全てを晒してもらおう。その、白くて滑らかな肌や、小夜の一番恥ずかしい所を。


もはや狼どころか単なるエロオヤジみたくなってしまった俺は、ヘソからブラへ向かってツ……、と舌を走らせる。


「やっ、いやあ……」


抵抗しようにも、彼女は腕をガッチリホールドされているし、俺にされるがまま。


荒くなる息の俺と、怯えたように瞳を揺らす小夜。


そんな扇情的な表情に、またゴクリと喉を鳴らす。


……夜は長いし、寝かしてやんねえ。


そう息巻いて、ブラのホックを外そうと彼女の背中に手を回したその刹那――。




ピンポーン。



と、二人の甘い時間に水を差す、不快な音が鼓膜を揺らした。


途端に俺も小夜も、ビクッと身体が跳ねる。


「しょ、翔平、誰か来たから……ね?」


「いいよ、こんな夜にやって来る奴なんてろくな奴じゃねえ」


枕元の目覚まし時計を微かに見れば、すでに11時になろうとしているところ。


こんな深夜にいきなりやって来る奴なんて、思い当たる節は一つしかない。


だからこそ俺は、彼女に居留守を促し、そのままその身体に手を伸ばしかけた。


「で、でも、もしかしてホラ、泊まる場所がないのかも……」


「イイって、ほっとけ。“アイツ”ならいくらでも他に泊まるアテがあるだろ? それに終電までまだまだ時間もあるし」


俺と小夜はドアの向こうにいるのは誰なのか、完全にわかっている。


だからこそ俺はシカトしてやれ、というし、小夜は中に入れて上げなきゃという思いになるわけだ。


でも義理人情に厚い性格の小夜は、この状況をほったらかしになどできなかったようで。


結局小夜は全力で俺の拘束から抜け出し、服の乱れを整えたかと思うと、一散に玄関へと駆け出して行った。


「ダ、ダメだって、小夜!! お前が甘やかすから“アイツ”はつけあがっ……」


ベッドの上で右手を投げだし、必死で小夜を引き留めるも後の祭り。


これまでも、何度か“アイツ”にはいいムードになっていざ及ばんとした時に邪魔されたことがあった。


でも、今日は特別なんだ。小夜が俺の内定を祝ってくれて、久しぶりに二人で過ごせて、ずっとずっと小夜を抱きたかったのを我慢してたんだ。


頼む、今日だけは遠慮してくれ、松本――!!


しかし、掲げた右手の指の隙間から、玄関のドアが開くのが見え、無情にも、


「小夜さん、今晩泊めてください」


と、まるで語尾にハートでもついていそうな甘い声で小夜の腕を掴んでいる、松本里穂(まつもとりほ)の姿が目に飛び込んできた。









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